原理講論を読む

日常生活の中で 考える糸口を求めて

コンサル本を読んできて気がついたこと 山梨広一

山梨広一の「いい努力」「三原則」「必ずできる」「シンプルな戦略」を読んで

いるうちに気がついたことがあった。

それは、マッキンゼーやボストン・コンサルティングなど外資コンサルティングファームに所蔵していた方々が書いている内容が、
それほどインパクトがないようになってきているということである。
何故だろう?
大雑把に言って、彼らの問題のアプローチには「フレームワーク」と「ケーススタディ」の2つが主流だと思う。
日本では、あるビジネスのテーマやキーコンセプトに対して貪欲に関連する本が出版される。
それもだいたいこの2つを内容の主流にしているものだと感じる。
だが、フレームワークの主要なものについてはほぼ出し尽くされ一般のビジネスマンに普及し共有されていると思う。
問題は後者のケーススタディだが、こちらの方は守秘義務もあり門外不出のコンサル会社の秘密もあり、
簡易化されていたり、実際の会社がわからないようにシチュエーションンをいくらか変えたりしている。
コンサルティング会社の強みは膨大で詳細な過去のコンサルティングによって築き上げられてきた資料のはずだ。
だから、機転が利く者には、ここに就職してその資料の山を読み込み、
また実際の経験を積んで現実に対応できる素養を身に着ける大学だと位置づけて、
数年後に独立する者もいることだろう。
 
つまり、一般読者の水準が引き上げられ「フレームワーク」では追いつき、
ケーススタディ」の質と量のシミュレーションの機会がないというギャップを残すところになる。
 
また、最後は大前が言う「ストラテジック・マインド」でコンサルティングの能力に差が出るに違いない。
 
上記の4冊のうちで何らかの戦略に対する関心や必要性がある人には、「シンプルな戦略」がチェックリストのような役割をするかもしれない。
また、戦略を書くときの著者の思考の中身を見せてくれるのが「必ずできる」であろうか。
一冊薦めるならこの本を選んでおきたい。
 
彼の思考の特徴として面白かったのは「境界条件」を意識するということだった。
 

 

必ずできる。

必ずできる。