コンサル本 細谷功
「会社の老化は止められない 未来を開くための組織不可逆論」を読んだ。
エントロピーと会社の老化の対応関係を試みている点が面白かった。
マーティン・ゴールドスタイン著「冷蔵庫と宇宙」にあるエントロピーについての図を参考にして、それを会社の老化に適応して説明している。
また、よく使われる「思考停止」の意味は、
客観が見えなくなり主観にとらわれる
目的が見えなくなり手段にとらわれる
全体が見えなくなり部分にとらわれる
抽象がみえなくなり具体にとらわれる
以上のような状態を思考停止という。
一般に使われる言葉の意味を一歩踏み込んだ感じであった。
伊賀康代の「生産性」ではトップ・パフォーマーが注目されていたが、
こちらは、社員のタイプを二種類に分類している。
イノベーション型人材とオペレーション型人材とにである。
この二者が23の項目で比較された表がありとてもわかり易かった。
人間には個性があるので、闇雲にすべての社員をイノベーターにする必要はないと思うが、そのように教育し機会を与えて、その結果適正な仕事を任されるべきだろう。
もう一つ読んだのが
「地頭力」とは何か
「地頭」とはすでに一般化した言葉になっているが、
なんとなくわかったつもりでいても、著者がどのような意味で用いていたのかを
知ることができた。
著者は「地頭力」には仮説思考力とフレームワーク思考力と抽象化思考力の三つの思考力が基本にあるとしている。
その三種類の思考をメリット・プロセス・キーワードという切り口で
比較表を表して整理して伝えている。
抽象化思考力とは、単純にして考えることでメリットが生じ、いわゆる「一を聞いて十を知る」というように、応用範囲を広めることができることだ。
プロセスとしては、
1,抽象化する
2,モデルを解く
3,再び具体化する
その際のキーワードとしては、
・具体⇔抽象 の往復
・モデル化
・枝葉の切り捨て
・アナロジー(類推)
を念頭にすることになる。
一読してよくまとまっていると思われた。
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