トランプ大統領の入国禁止令はアメリカの最高裁によって支持されている正統な判断
http://www.bbc.com/japanese/42233272 より引用
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米最高裁、入国禁止令の全面的な執行認める
米連邦最高裁判所は4日、ドナルド・トランプ大統領が今年9月に出したイスラム圏や北朝鮮など8カ国の国民の入国を禁じる大統領令について、全面的な執行を認める判断を下した。
トランプ大統領就任以来3回目となる9月の入国禁止令をめぐっては、ベネズエラ、北朝鮮を除くイラン、リビア、ソマリア、シリア、イエメン、チャドの6カ国に対する入国禁止が「イスラム禁止令」にあたるとして訴訟が提起されており、最高裁は訴訟継続中の禁止令の執行を認めた形となった。
最高裁の判事9人のうち7人が禁止令の執行を差し止めた下級審命令を無効とした一方、ルース・ベイダー・ギンズバーグ、ソニア・ソトマイヤー両判事は反対した。
カリフォルニア州サンフランシスコ、バージニア州リッチモンドにある各連邦控訴裁判所は今週、入国禁止令をめぐる訴訟を審理する予定。
最高裁は、控訴栽が「適切な早さで」結審するのを期待すると述べた。訴訟は最終的に最高裁で争われる可能性が高い。
法律専門家らは、今回の判断がトランプ政権が最高裁で勝訴する可能性を示唆していると指摘した。
カリフォルニア大学ヘイスティングス法科大学院のデイビッド・レビーン教授はAP通信に対し、「彼ら(最高裁判事)の判断からは、我々が考えていたよりも政府が勝訴する可能性が高いことが示唆されている」と語った。
各方面の反応
ホワイトハウスのホーガン・ギドリー報道官は、最高裁の判断に政権は「驚いていない」と述べた。
ジェフ・セッションズ司法長官は、最高裁の判断は「米国民の安全と安心における大きな勝利だ」と語った。
一方で、アメリカ自由人権協会(ACLU)はトランプ大統領が先週、英国の極右団体が投稿した動画をリツイートしたことは、同大統領のイスラム教に対する偏見を表していると指摘した。
ACLUのオーマー・ジャドワット弁護士は、「トランプ大統領が反ムスリム(イスラム教徒)の偏見を持っているのは明白だ。何度も自分で認めているし、先週もツイッターで認めたばかりだ」と述べた。
「禁止令が今は完全に執行されるのは残念だが、我々の主張の正否に判断が下ったわけではない」
トランプ政権による入国禁止令の経緯
これまでの入国禁止令は裁判所によって一定のブレーキがかけられてきた。過去3回の禁止令の経緯を振り返る。
- トランプ大統領は今年1月、イスラム教徒が多数を占める7カ国の国民の入国を90日間禁止し難民受け入れを全面的に一時停止する大統領令に署名した。シリア難民については無期限で受け入れ停止としていた。これを受けて各地で抗議デモが起こり、執行差し止めを求める複数の訴訟が起きた。
- 変更を加えた禁止令が3月に再び出され、イラク国民がリストから外されたほか、シリア難民への無期限禁止が取り下げられた。二重国籍者や永住権(グリーンカード)保持者も対象から外された。6月には最高裁が120日間の難民受け入れ全面停止を含め、禁止令のほぼすべてについて執行を認めた。ただし、米国の機関や人と「真正」の関係がある人物については幅広く適用除外するとした。
- トランプ氏による3回目の入国禁止令は今年9月下旬に出された。イスラム圏でない北朝鮮とベネズエラが加えられたが、この部分に関しては下級審でも執行が認められた。
下級審での判断はどのようなものだったか
トランプ大統領は、入国禁止令が国家安全保障にとって不可欠だと主張し、パリやロンドン、ブリュッセル、ベルリンで起きた攻撃事件がその証拠だと述べた。
しかし、連邦裁判所判事らは執行差し止めを命令し、トランプ氏が大統領選で自らの政策を「ムスリム禁止令」だと語った事実や、「ムスリムが合衆国に入るのを全面的かつ完全に禁止する」と述べていたことを判断の根拠とした。
米国各地で行われた下級審では、トランプ氏の入国禁止令は信教の自由などをうたう合衆国憲法修正第1条に反していると判断された。
メリーランド州の連邦裁判事は今年10月、「トランプ大統領自身の言葉で繰り返しかつはっきりと語られたムスリム禁止令の『最初の』発表は、彼の目的がなにかを疑いの余地なく、力強くまた説得力を持って明らかにしていた」と述べた。
ハワイ州の連邦裁判事は、トランプ氏の政策が「単純な国籍に基づく差別」であり、「この国の建国の原理原則」に違反していると指摘した。
だいぶ以前に、正確には今年の2月5日にわたしはこんな記事を引用してきた。
まさにそのとおりであった。
イカサマ民主党やペテン師マスコミのフェイク情報が蔓延する中で刮目すべきものであった。
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コラム:実は新しくない、トランプ大統領の入国制限令 | ロイター から一部を以下に引用する。
この大統領令は特に目新しいものではない。ただ、進化しただけなのだ。トランプ氏の大統領令の対象となるイラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンは、9.11同時多発攻撃以降の移民法のなかで名指しされてきた国々なのである。
より具体的に言えば、トランプ氏の大統領令で国名が挙げられているのはシリアだけである。その他の国については、2015年、オバマ政権時代の法律である合衆国法典第8編第1187条(a)(12)を参照する形で言及している。このリストはトランプ氏の事業の取引先とは何の関係もない。リストを作ったのはトランプ氏ではないし、9.11後の厳格な審査の対象からサウジアラビアを除外した米国大統領は彼が最初ではない。
このリストは、小説「1984年」の著者ジョージ・オーウェルを思わせる「2015年ビザ免除制度改善及びテロリスト渡航防止法」に含まれるもので、対象国を1度でも訪れたことのある者が米国のビザ免除渡航制度を利用することを禁じている。
したがって、たとえば、通常ならばビザなしで米国に入国する資格のある英国市民であっても、対象国への渡航歴があれば、審査のために在外米国大使館又は領事館に出頭し、個別に承認を得て、パスポートに実際に印刷されたビザの発給を受ける必要がある。この規則は、ジャーナリストとして、あるいはボランティアの医療チームのメンバーとして対象国に渡航した場合にも適用される。
トランプ氏は例によって乱暴なスタイルで「きわめて厳格な審査」を提案したが、そのような審査プロセスはすでにジョージ・W・ブッシュ政権以来導入されており、オバマ政権でも引き継がれて現在に至っている。
これもオーウェル風の命名で「行政管理上の処理」と呼ばれている。対象となるのは、やはり同じ7カ国である。これら諸国からの渡航者は、それ以外とは別のビザ手続を必要とすることになり、さまざまな情報機関による審査を待つために渡航が遅れる。申請の一部は期限を切らずに審査待ちとなっている。
こうした措置のいずれに対しても、国務省の職員が集団で不同意の覚書を提出した例はない。
米国は年間の難民受け入れ人数に上限を設定しており、2016年度については8万5000人だった。8万5001番目の難民は、いかに絶望的な状況にあろうとも、翌年まで待たなければならない。2006年に遡ると、当時の上限は7万人だった(実際に認められたのは5万人以下だ)。
第2次世界大戦後のホロコーストの生存者(65万人、米国民の半数が受入に反対)、ベトナムのいわゆる「ボートピープル」(13万人、米国民の57%が受入に反対)など、米国に流入する難民数が急増することはあったが、歴史的に、米国民は難民を歓迎するというよりは、彼らを恐れる傾向がある。
1980年以来、米国が受け入れてきた難民は合計200万人に満たず、そのうち40%は、難民である親に連れられてきた子どもである。これに対し、難民には限定されないが、国外退去者の数はオバマ政権時代に限っても250万人に上る。
米国の州知事のうち30人は、可能であれば自州へのシリア難民の受入を拒否したいと表明している。米国民全体の約60%は、シリア難民のをけ入れに反対している。「テロ多発地域」からの移民受け入れ一時停止については、半数弱の米国民が支持している。
2016年度、米国が受け入れるシリア難民の上限は1万人だった。対照的にカナダは同年、シリア難民だけでも2万5000人受け入れている。ドイツが2016年にさまざまな国から受け入れた難民は30万人、前年の2015年には100万人近くを受け入れている。
米国の裁判所は、最近では2015年にも、長年続く「海外でのビザ発給をめぐる決定に関する司法審査の否定」という原則を支持している。つまり、海外でのビザ発給をめぐる決定に対して国内の裁判所で異議を申し立てることはできないという意味だ。
また米国は一般的に、米国法による保護を、国外の外国人に拡大適用していない。連邦最高裁判所は、移民法の「絶対的権限の法理」を認めており、大半の裁量的判断を行政府に委ねている。法廷における週末の勝利は、米国の国境内部での執行を部分的に停止しただけであり、国土安全保障省も、政策としてではなく、例外的な「国益」を根拠として従っているにすぎない。憲法上の危機が生じているかどうかは明らかではない。
毎日新聞の記事では、スパイサー報道官の発言を以下のように伝えている。
会員登録のお願い - 毎日新聞 より引用。
スパイサー大統領報道官は3日夜に出した声明で、「司法省は可能な限り早く、裁判所の決定の執行を停止するよう求め、大統領令を守るつもりだ。大統領令は合法で適切なものだと確信している」と強調。さらに、大統領令はあくまで国土を守ることを意図したもので、米国民を守ることが大統領の責務だと強調した。
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ちょっと事情があってなかなかアップできなかったが、重要な事なので押さえておきたい記事である。
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