人事の刷新がトランプ政権で続いている。
トランプ大統領に近い考えを持つ人物で脇を固めるようだ。
トランプ大統領、クドロー氏を次期NEC委員長に選任 - Bloomberg より引用
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更新日時
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クドロー氏はトランプ氏に政治的見解が似通う
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今月辞任表明したコーンNEC委員長の後任に
トランプ米大統領は、エコノミストで経済専門局CNBCのコメンテーターのラリー・クドロー氏をゲーリー・コーン国家経済会議(NEC)委員長の後任に選んだ。長年の知己を政権中枢に加える。
ホワイトハウスのサンダース報道官は、クドロー氏が委員長ポストを「提示され、受け入れた」ことを明らかにした。
クドロー氏はCNBCとのインタビューで起用について「光栄だ」と述べ、トランプ氏とは「長年の知り合いだ」と付け加えた。
トランプ大統領が政権内の穏健派や政策に異議を唱える高官を排除する中、クドロー氏(70)は大統領への親しみや忠誠を示すとみられる。大統領は選挙で訴えた政策目標にしばしば反対する高官に飽き飽きし、13日にはイラン核合意を巡る意見の相違を理由にティラーソン国務長官を解任した。
クドロー氏は気質や政治的見解が大統領に似通っているとみられている。ホワイトハウス内では、ウォール街とワシントンの両方から信頼を得ていると受け止められている。クドロー氏はレーガン政権でアドバイザーを務めた経歴もある。
ただ、トランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムへの輸入関税賦課を命じたの受け、貿易を巡るクドロー氏の見解が摩擦の種となる可能性はある。
原題:Trump Turns to Loyalist Kudlow as Economic Adviser Amid Shake-Up(抜粋)
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2017/12/19 に公開
「北朝鮮に非核化強制できる準備を」 米大統領補佐官インタビュー
国家安全保障のマクマスター補佐官も解任されるようだ。
確かに入れ代わり立ち代わりが激しいトランプ政権だが、
基本的にはトランプ大統領はアメリカ国民に対する公約を忠実に実現してきている。驚異的なスピードと実行力だ。
以下の記事に詳しい。
選挙公約をほぼ達成したトランプ大統領 近年にない達成率だが、米国内では二極化が加速 | JBpress(日本ビジネスプレス) より引用
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「大変驚くべきこと」と書くべきであろう。
大統領に就任してまだ1年2か月である。 何かと言えば、ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)が2年前の大統領選で掲げた選挙公約が、すでに8割ほど達成されているからである。
筆者は1982年に渡米以来、何人もの大統領を見てきた。2007年に拠点を日本に戻してからも、大統領選と歴代政権を追っている。その中で、選挙公約の8割を就任1年目で達成した大統領がいただろうか。
突然のティラーソン国務長官解任
一方で、トランプの言動は相変わらず不適切なままだ。
暴言は後を絶たないし、閣僚や高官の辞任・更迭はすでに20人を超えた。日本時間13日夜に飛び込んできた「ティラーソン国務長官更迭」のニュースも、トランプ政権らしい急転直下の動きだった。
依然として大統領としての資質や人格には大きな疑問符がつく。だが公約を果たしているのも事実である。公約(10本)という点に特化して、どれだけ達成されているのかを順に眺めていきたい。
(1)イスラム国(IS)の壊滅
トランプは選挙中からISを壊滅させると何度も口にしていた。2017年12月、イラク軍は「IS掃討作戦が完了し、イラク全土をISから解放した」と宣言。シリアでもISはほぼ制圧されている。
バラク・オバマ政権からの継続的な戦いと、米国をはじめとするフランス、英国、オーストラリアなどの有志連合の努力もある。ロシアの力もある。 それではトランプがIS壊滅の直接の功労者なのかと言えば、そうではない。
いまは政府側と反政府軍、クルド人との抗争に変わり、別の問題が発生してきている。だがIS壊滅という結果にいたったことはまぎれもない事実だ。
(2)イスラム教徒の一時入国禁止
トランプは政権樹立直後の昨年1月、イスラム教徒が多数をしめる7か国の国民の入国を90日間禁止した。
同時に難民の受け入れも禁止。もちろんテロリストの多くが7カ国の出身者だったという理由からである。
その後、複数の裁判所からトランプの判断は移民法に違反するばかりか、人権侵害にあたるとして執行が差し止められた。
これに対しトランプは3月、変更を加えた入国禁止令を再び発令。すると今度は最高裁判所がほぼ全面的にトランプの入国禁止令を受け入れ、120日間の入国禁止が執行された。
トランプは昨年9月に3回目の入国禁止令を出している。
(3)製造業を米国内に戻す
米製造業が廃れたと言われ出したのはいまに始まったことではない。同時に、米国内に製造業を戻す動きも、トランプが最初に言い出したものでもない。
10年ほど前に「製造業ルネッサンス」という言葉が登場し、中国をはじめとする新興国に点在した米企業の工場を、米国に回帰させる動きが始まった。
ただトランプは政権発足直後、大手製造業24社の最高経営責任者(CEO)をホワイトハウスに呼び、規制緩和を約束。同時に製造工場を米国内に呼び戻すように要請した。
それに呼応するように、キャタピラーをはじめ、ゼネラル・エレクトリック(GE)、フォード・モーター、ダウケミカルズ、ボーイングなどの大手が米国内に製造工場を作ると発表した。
流れとして製造業の国内回帰につながっているのは事実。
(4)中国とメキシコの商品に高関税を課す
トランプは大統領選時、中国とメキシコ両国を目の敵にしていた。メキシコ製品に35%の関税をかけると述べたが実現していない。
ただ3月8日、通商拡大法232条にもとづき、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税を課すことを決定。これは中国が主な標的である。
3月23日から課税が始まるが、隣国のメキシコとカナダに対しては関係悪化を懸念して除外措置をとった。
(5)NAFTA 再交渉、TPP離脱
北米自由貿易協定(NAFTA)と環太平洋パートナーシップ協定(TPP)はいまのところ、公約どおりである。
NAFTAは今月、米国、カナダ、メキシコ3国による第7回会合が終わったばかりだ。そこでカナダとメキシコが鉄鋼とアルミニウムの関税対象から外されている。
トランプがTPPに戻ってくる可能性もあるが、復帰は安倍晋三首相の説得次第かもしれない。
(6)オバマケアの撤廃
実現済み。米国の積年の願望であったはずの国民皆保健(オバマケア)は2010年、オバマ政権時代に法制化された。
だがトランプ政権は昨年12月、税制改革法の中にオバマケア撤廃条項を盛り込み、廃止することに成功した。個人レベルで医療保健へ加入する義務がなくなることが、共和党側の狙いで、その通りになった。
(7)社会保障年金には手をつけない
日本の国民年金にあたる社会保障年金。米国の社会保障年金をいじらないという方針は、歴代の大統領が踏襲している。
(8)すべての市民に減税をし、現行の税率を7段階から3段階にする というのも、いまでも米国の社会保障年金は黒字で運営されているからだ。あえて公約に掲げなくてもいいことだが、トランプも手をつけていない。
昨年末に成立した大型減税法により、多くの人たちが減税の恩恵にあずかっている。まず法人税が35%から21%に下げられた。
個人の所得税も最高税率が39.6 %から37%になった。遺産税も減税になり、減税規模は10年間で1兆1266億ドルだ。
3段階へと簡素化する予定だったが7段階のままである。
実はトランプが大統領選で掲げていた減税額は4兆ドルから5兆ドルだった。しかし財政悪化が懸念されたため規模が小さくなっている。それでも1986年以来の大型減税で、公約は実現されたと言って構わない。
(9)メキシコ国境に壁を建設
壁はまだ建設されておらず、公約は達成できていない。しかし今月13日、トランプはカリフォルニア州を訪れ、壁の試作品8種類を見て回った。
連邦議会での建設予算はまだ具体化しておらず、建設そのものに反対する民主党との本格的な駆け引きもこれからだ。
(10)銃所有の権利を守る
公約どおりと言うより、全米ライフル協会(NRA)と共和党保守派の思惑どおりである。銃規制を積極的に推進する民主党とは対極に位置する。
繰り返される銃乱射事件により、3月11日にトランプは銃対策を発表。だが殺傷力の高いライフルの購入年齢引き上げや即売会での経歴調査強化は含まれず、ほぼNRAの言い分を聞いた形になった。
政治家として未知数が大きかったトランプ。数々の暴言やロシア疑惑、セクハラ疑惑があるなか、公約だけは実現させているのは意外といえば意外である。
民主党支持者からの支持率は相変わらず7%(ギャラップ調査)という低さだが、共和党支持者からは81%の高さを保つ。
米国内のはっきりした分極化が進んでいる証と言える。
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