【社説】韓国大統領候補者たち、それでも「親北」を続けますか?-Chosun online 朝鮮日報
より引用 記事入力 : 2017/02/16 09:31
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北朝鮮・朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の腹違いの兄である金正男(キム・ジョンナム)氏が13日、マレーシアのクアラルンプール空港で毒殺されたが、これは北朝鮮における権力集団の本質を改めて実感させる事件でもあった。事件発生から2日後の15日朝、現地のマレーシア警察はベトナムのパスポートを所持した20代の女性1人の身柄を拘束し、さらに別の女性1人と男性4人を追跡していることが伝えられた。彼らは一部は北朝鮮のパスポート、一部はベトナムのパスポートを所持しているという。ベトナムのパスポート所持者は国籍ロンダリングを行ったか、あるいは偽造パスポートを所持している可能性が高いが、ちなみにかつて金正男氏もドミニカ共和国のパスポートを所持していたことがある。大韓航空機爆破事件の実行犯で元死刑囚の金賢姫(キム・ヒョンヒ)氏も犯行当時は日本人になりすましていた。一方でこの日、現地の病院では金正男氏の遺体の解剖が行われた。このように今回の暗殺事件が北朝鮮の仕業であることの証拠は少しずつ積み上げられていくだろう。
金正男氏が殺害されたのは金正恩氏がミサイル発射を行った翌日だ。核とミサイルを手にしている北朝鮮の権力集団がここまで凶暴であれば、韓国では今、国民の誰もが北朝鮮に対し改めて恐怖を感じているはずだ。ただ問題は韓国国内の分裂だ。野党側の大統領候補者らは崔順実(チェ・スンシル)問題を利用し、対北朝鮮政策を見直して北朝鮮を延命させ、最終的には北朝鮮に核兵器を持たせた太陽政策(宥和〈ゆうわ〉政策)を再び行おうとしている。しかも野党側候補者らの支持率は現時点で保守系のどの候補者よりも高い。つまり太陽政策が再び現実となる可能性が非常に高まっているのだ。
最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)代表は今回の暗殺事件について「非常に野蛮なことだ」「北朝鮮は正常な国ではない」などとコメントした。ところがその一方で文氏は自らが大統領になれば「開城工業団地と金剛山観光を直ちに再開する」と明言している。国際社会全体が北朝鮮の資金源を断ち切るために知恵を絞らせている中、北朝鮮の脅威を直接受けている大韓民国が年間2億ドル(約230億円)もの現金を金正恩氏に与えるとなれば、国連の対北朝鮮制裁は明らかに有名無実化する。その現金が金正恩政権を延命させ、核とミサイルの開発に使われることは誰の目にも明らかだが、これについて文氏は何も語ろうとしない。
文氏は米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「THAAD(高高度防衛ミサイル)」の在韓米軍への配備についても「次の政権で検討すべきだ」などと訴えているが、これは事実上の撤回を主張するようなものだ。THAADを配備しないのであれば、日々深刻化する北朝鮮の核とミサイルの脅威に対し、大韓民国は軍事的な備えを何もやらないということになる。あるいは備えをするとしても、THAADなしに何をどうするというのだろうか。文氏はこの点を明確に説明しなければならない。大統領になりたいと言いながら、この問題に口を閉ざすことは絶対に許されない。
野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)前代表はTHAAD配備反対を事実上撤回した。安氏は戦時作戦統制権の韓国軍への移管についても「時期尚早」と主張している。ただ安氏のこれらの発言についても、その考え方が根本から変わったものなのか、あるいは支持率の伸び悩みを打開するための単なる選挙戦略なのか現時点でははっきりしない。
野党側の大統領候補者たちは安全保障問題の考え方について問い詰められるたびに「(イデオロギーによる)色分けだ」などと言っては逆切れする。しかし大統領としての第一の資格は「国を守れるか」という点にある。それには北朝鮮の野蛮な集団とも交渉ができなければならない。しかし交渉とはいってもそれは「同じ民族」という建前で北朝鮮の金氏王朝をただ延命させるだけの太陽政策、つまり単に資金援助や食料援助を行うことではない。現時点で支持率1位の文氏をはじめとする野党側の候補者たちは、もし太陽政策をやるつもりならそのことを改めて宣言し、その上で国民の審判を仰がねばならない。また文氏はこれまで繰り返し語ってきた「大統領になれば開城工団と金剛山観光を直ちに再開する」という主張を今も変えていないのか、そして「THAAD配備延期」の考えも変わらないのか直ちに明確にすべきだ。
今回の金正男氏暗殺事件は、これまで金正男氏を擁護してきた中国を刺激する可能性があり、そうなれば韓半島(朝鮮半島)情勢にも何らかの影響が及ぶかもしれない。また米国のトランプ政権も北朝鮮政権の正体について改めて理解できたはずだ。今回のような暗殺実行犯は当然韓国国内にも潜伏している可能性が高いため、国内で同じような事件が起こらないようわれわれも対策に万全を期さねばならない。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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【コラム】選挙か、朴大統領か=韓国(1) | Joongang Ilbo | 中央日報より引用
2017年02月20日16時19分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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大統領選の競争構図が妙に流れている。文在寅(ムン・ジェイン)対安熙正(アン・ヒジョン)。最近の世論調査を見れば、「共にに民主党」の候補同士で競争する構図だ。そのため、親朴サイトでは民主党選挙戦に参加しようという書き込みまで載せられた。
保守候補は見えない。潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長は支持率が暴落して手をあげた。代わりに浮び上がった黄教案(ファン・ギョアン)大統領権限代行も支持率は一桁に落ちた。保守陣営ですら彼の拡張性を疑っている。「正しい政党」の劉承ミン(ユ・スンミン)議員や他の保守候補らは支持率を口にすることすら恥ずかしい。誤差範囲にもならない数値であるためだ。
10年前の大統領選と似ている。当時、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の支持度は10%台からやっと20%台に回復した。李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)候補の「ハンナラ党」内での選挙戦が本戦よりも熱かった。無所属の李会昌(イ・フェチャン)候補が出馬して何と15.1%もの保守票を獲得したにもかかわらず、李明博候補が48.7%を得た。「大統合民主新党」の鄭東泳(チョン・ドンヨン)候補は26.1%に過ぎなかった。ハンナラ党の選挙戦が終わると、まるで大統領選も終わったかのような雰囲気だった。
今でも民主党の候補らが一方的に選挙戦を主導している。文在寅前代表大勢論と安熙正忠南知事がこれをひっくり返すことができるかが関心事だ。一部の保守層で安知事に関心を見せているのは文前代表に対する拒否感のためだ。票を投げるべき保守候補がいなければ、いっそ安知事に票を投げて文前代表を落とすという考えだ。
このような地図を意識したように、安知事は親盧・進歩の枠を抜け出して幅広い歩みを見せている。文前代表は支持率が高いが、拒否感も大きい。候補より政権交替のために選択する場合が多い。忠誠度が落ちる層が厚いというわけだ。保守候補に確かに勝つ他の候補がいれば、揺れる可能性もある。これを揺さぶる方法として安知事は全国的に支持率を引き上げようとしている。20%を超えたことで一次目標は達成したわけだ。
そこで安知事の戦略は安哲秀(アン・チョルス)前「国民の党」共同代表に似ている。安前代表側の参謀は安知事はペースメーカーに過ぎないと主張している。安知事がいくら頑張っても「親文覇権」の組織力のために民主党選挙戦で勝つことができないということだ。そのため、結局本戦競争は「安哲秀と文在寅の対決」と主張している。「親文」対「反文」の構図だ。しかし、これも安哲秀前代表の希望に過ぎない。
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結局、時の人、中心人物が立っていないのが最も重要な問題のようだ。
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