中道系の政党「国民の党」のアン・チョルス候補は、南部
プサン(釜山)生まれの55歳。名門
ソウル大学の医学部を卒業したあと、大学院在学中にコンピューターウイルスの対策ソフトを開発し、その後、IT企業を立ち上げて成功を収めたほか、
ソウル大学の教授を務めるなど、多彩な経歴の持ち主です。
前回、5年前の大統領選挙では無所属で立候補し、若者や
無党派層の支持を集めましたが、当時、与党の候補だったパク・クネ(
朴槿恵)氏に対抗するため、みずから立候補を取り下げ、最大野党の候補だったムン・ジェイン氏の支持に回りました。
翌年、アン氏は、
国会議員の
補欠選挙に立候補して無所属で初当選を果たし、ムン氏と同じ最大野党に加わったあと、去年2月には新党の「国民の党」を発足させて4か月間にわたり共同代表を務めました。
アン氏はみずからの政策として、技術革新や新しい産業の創出など、雇用対策に力を入れることや、
慰安婦問題をめぐる日本との政府間合意について再交渉する必要性を強調しています。
さらに、核実験やミサイル発射を繰り返す
北朝鮮に対して、米韓同盟に基づき制裁を優先すべきだなどと主張していて、既存の
保守系の政党に失望した保守層の間でも支持が広がっています。