原理講論を読む

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ジェームズ・スチュワート「素晴らしき哉人生」  絶体絶命の窮地の時こそ人知れず神の訪れはある

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「天には栄え」(あめにはさかえ)讃美歌98番は

チャールズ・ウェスレー作詞のクリスマスキャロル定番です。

先回の「クリスマスキャロル」の映画にも出てきましたし、今回ご紹介する「素晴らしき哉人生」では主人公の娘がクリスマスのためにピアノの練習をしていました。

この二つの映画には基調低音としてこの讃美歌が流れていることを知らなければならないことでしょう。

アメリカ人なら誰でも知っているのでことさら意識しなくてもすうーっと入ってくるこの歌詞の内容はどうだったのでしょうか。

へた訳を下に書きました。

3人のボーカルの美しい歌声とメロディーのそこにある、美しいウェスレーの歌詞を堪能してくだされば幸いです。

 

Hark! the herald angels sing

 

Hark! the herald angels sing,

聞くがよい!御使いたちが告げる歌を


"Glory to the new born King,

「新生の王に栄光あれ!


peace on earth, and mercy mild,

地には平和、哀れみ深く柔和なる心


God and sinners reconciled!"

神と人との和解をもたらされる」


Joyful, all ye nations rise,

歓喜して、諸々の国人よ立ち上がり


join the triumph of the skies;

天の偉大な勝利に同参せよ!


with th' angelic host proclaim,

天使の主礼は宣言する


"Christ is born in Bethlehem!"

「キリストはベツレヘムに聖誕された!」


Hark! the herald angels sing,

聞くがよい!御使いたちが告げる歌を


"Glory to the new born King!"

「新生の王に 栄光あれ!」

 

 



Christ, by highest heaven adored;

キリストよ、いと高き天界によって讃えられ


Christ, the everlasting Lord;

キリストよ、とこしえの主よ


late in time behold him come,

いかに時遅くとも 主の訪れを見逃すことなかれ


offspring of a virgin's womb.

処女の胎に宿られて


Veiled in flesh the Godhead see;

肉を纏われた御姿に 神々しさを見る


hail th' incarnate Deity,

万歳!受肉された神よ!

 

pleased as man with man to dwell,

喜んで人となられ 人々と共に生きられる


Jesus, our Emmanuel.

エス様、我らの 神と共にいます者よ!


Hark! the herald angels sing,

聞くがよい!御使いたちが告げる歌を


"Glory to the new born King!"

「新生の王に 栄光あれ!」

 

 



Hail! the heaven-born Prince of Peace!

万歳!天の御業により聖誕された王子よ!

Hail! the Son of Righteousness!

万歳!正義の息子よ!


Light and life to all he brings,

光と命をあらゆるものにもたらし


risen with healing in his wings.

主の翼に抱えられ 癒され高められる


Mild he lays his glory by,

やさしく主は栄光を置く 


born that man no more may die,

けっして死ぬことのない永遠の命をもって生まれ


born to raise the sons of earth,

この世の息子らを高めるために生まれ


born to give us second birth.

我らを重生させるために生まれた


Hark! the herald angels sing,

聞くがよい!御使いたちが告げる歌を!


"Glory to the new born King!"
「新生の王に 栄光あれ!」

 

 

さて映画「素晴らしき哉人生」ですが、古い映画で白黒です。

映像はカラーではありません。

古き名作なのでレンタルではなく、購入しても540円くらいです。

 

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主人公のジェームズ・ベイリーは田舎町に生まれ育ちました。

 

「クリスマスキャロル」ではストーリーを詳しくしゃべりすぎましたので、

今回はこの物語の基底に流れるキリスト教精神である「善きサマリア人の譬え」を

どうか意識しながら見て頂きたいと思います。

 

永らく私はどうして真の父であられる文鮮明恵師は真の母であられる韓鶴子恵母のようにキリスト教の篤信家庭にお生まれにならなかったのか、不思議でした。

 

だが、イエス様の教えの核心は

天の父を愛することと、隣人を天の父の如く愛することでした。

隣人愛を最も率直に表現されているのが、「善きサマリア人の譬え」でしょう。

人生において通りがかりの道に、困った人がいた時に、その人の事情と心情を分かちあって、手を差し伸べることが、どんなに自分に不利益であり、どんなに危険が襲いかかるやも知れなくとも、哀れに思ってその人を見過ごさず見捨てない覚悟と実行を遂行することの重要性をイエス様は私たちに説かれました。

神の愛の届かぬところに、人が代わりに御父の愛を携えて運んでいかなければならないというのです。しかも、「人を愛すること神を愛する如し」という心情圏をイエス様は常に我々の前に生きた見本として歩まれました。

それは、東洋では孟子が「惻隠の情」として同様の心情を表現しました。

 

孟子の「惻隠の情」を究めていったのが韓国精神であると思われます。

善きサマリア人の心情を徹底して究める為に精神文化の儒教が大きな役割を果たしたのではないかと私は思うのです。

それゆえ、お父様は幼き頃からその精神的継承を為されたことでしょう。

 

今、私が見ている韓国ドラマの「千秋太后」では主人公が度々、善きサマリア人のような、厳しい判断の岐路に立ちます。

だが、いささかの躊躇もすることがありません。

このような主人公の女性を見ると、男であることが本当に恥ずかしくなるほどです。

命を投げ出しても、人のため大義のため、自らの安寧を顧みることなく、突き進まざるを得ないのは、その人が実際に生きているのが、目に見える現象世界ではなく、目に見えることのない本質世界に生きているからだというのです。

その人物が真に生きているのは、実は両足で立っている大地ではなく、無形の心情世界であり、各々の心霊と心情によって生きている世界も千差万別になってしまうというのです。

空海も自分が辿ってきた心情の成長路程を振り返って、十住心を説かれたようです。

エス様と共に生活しながらも、本質的には弟子たちは共に生活していたとは言えませんでした。

それは、イエス様が生きておられた心情圏と弟子たちが生きていた世界が大きく隔たっていたからでした。

我々もまた同様のテストを受けています。

父の御心は如何に?

 

さて、映画の主人公は有能な人物でした。

そこでひとかどの人物となって成功し、大金持ちになりたいと子供の頃から強く思っていました。

彼の人生は成り行き上どうしても自分のことは後回しにしなければならない局面の連続でした。

本当は、都市計画に携わって建物などの建築設計をすることを夢見ていました。

ひたむきにまっすぐに生きてはいたのに、自分の周りの人たちはどんどん成功していきます。都会に出て事業に成功したりというふうに。

また、建築家になるためには大学を出なければなりません。

ところが、弟を支援して先にやり自分は一旦断念しなければなりませんでした。

彼は父親と同じ住宅建設の貸し付けの事業を家を持つことのできない貧しい人たちのために誠実な融資をリスクを背負って果たしてきました。

スクルージとは正反対です。

 

その報酬はわずかで、やっとこさ集めた金で結婚して欧州旅行をするはずが、愛すべき隣人のために使われ、立派なホテルではなく誰も住んでいない古ぼけた建物に泊まって、善き伴侶とともに人生をスタートしました。

どん底からのスタートでした。

古き良き時代のアメリカ女性は本当に美しい。

夫を誰よりも理解して献身的な良妻賢母です。

 

物語は町を牛耳る実力者の陰謀によって、破産に追い込まれ、如何ともしがたい中、酒を飲み町を彷徨う彼のために、多くの友人達が神に救いの手を差し伸べてほしいと祈っているところから始まります。

その祈りに応えて天上では会議が為され、クラレンスというまだ半人前で翼を肩もつことを許されていない天使が呼び出され、自殺まで考えている主人公を助けよと命令されます。

もし彼を救う協助に成功したら翼を与えようというわけです。

 

そして子供の頃から現在までの彼の人生が始まります。

 

さて、現在の所にくると8000ドルを伯父が紛失して、住宅貸し付けの事業が倒産寸前になります。

万策尽きて、彼は神に救いを求める祈りを捧げました。

ところが、その祈りが終わるやいなや、彼を待っていたのはパンチの一撃でした。

「これが答えか」残された道は自分が自殺して15000ドルが保証されている生命保険に頼るばかりです。

でも彼の知らざるところで神は彼のために御業を為されていたのでした。

 

絶体絶命の窮地の時こそ、人知れず神の訪れはある。

誰がそれを知ろうか?

 

橋の欄干に立ち下を覗き込もうとした時、彼より先に飛び込む者がいて水に溺れながら助けを求めています。

主人公のジョージ(ジェームズ)はどうするのでしょうか?

 

クラレンスは自分など生まれてくるべきじゃなかったと悔やむジョージに

もし彼が存在しなかったとしたら世界はどんなふうになっていたかを幻想の中で体験させました。

人々の表情は暗く、幸せそうな人は全く見ることができませんでした。

生き地獄そのものでした。

 

彼はクラレンスが本物の天使であることを知り

自分が死を選ぶことを捨て、それでも生きていくことを決意しました。

 

さあ、彼を一体どのような結末が待っていたことでしょう。

是非、クリスマスにご家族でご覧ください。

 

メリー クリスマス!

再臨の主は来たれり!

我らの罪は贖われ

隣人には格別の愛を!

 

 

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