原理講論を読む

日常生活の中で 考える糸口を求めて

文顕進様のコア・バリューやリーダシップ論と統一信徒が持つべき絶対的主体性(積極的主体性)①

 ある人から、 文顕進様がリーダシップについてただ独り教育されてこられたことを指摘され、講演録を二冊ざっくりとではあるが目を通してみることになった。以下はその要点の覚え書きである。

積極的対象性、あるいは主体的対象性を信仰の要として、武士道の伝統を背景として持つ、われわれ日本の統一信徒は時の摂理に応えてきた。

一方、主体として立つ際には、消極的主体性あるいは対象的主体性を特徴とした責任者の姿が一般的であったように感じられる。

われわれは、堕落性を脱ぐための蕩減条件を重視するあまり、堕落性を回避すべく意識した結果、主体として立つ際に、何でも上に意見を伺わなければなにも決められないような体質に陥ってしまっていたのである。

これは統一教会に限らず日本の組織一般にも言えることのようだが、報告・相談・連絡というスタイルが大変重要視され実践されてきた。

これによって大きく軌道をずれることは少なくなり、無難であったことは確かであるが、上ばっかり見るような人材を結果として多く輩出してきたこともまた事実である。

文鮮明 恵師は、「千人の者よりも千人の者を導くことができる者」を期待しておられた。リーダーの中のリーダーの育成を期待しておられた。顕進様もまたフォロワー(追随者)から「リーダーたちのリーダー」に変身することを願われ、リーダーとは位置と地位によるのではなく、その動機と心情にむしろ特徴をもっているとされた。

顕進様は統一運動のキーワードとして、

縦的軸:Vertical Axis (Line)

縦的伝統:Vertical Tradition

を掲げている。

縦的軸というのは、神・真の父母・真の子女の三代を指し、

縦的伝統というのは、縦的軸に実体化される四大心情圏と三大王権が完成されて現れる真の愛、真の生命、真の血統を指す。

縦的軸に一致し、縦的伝統を相続・発展させることが心情文化を築いていく運動の基礎であるとされた。

基本的にはどなたも異論のないところであるかと思うが、縦的軸に関しては、神様が臨在された真の父母・真の子女・真の孫(或いは真の祖父母・真の父母・真の子女)という方が我々には馴染みやすい。

地上において三代によって家庭が完成されるというのは、素直に考えればそうなることであろう。

顕進様が神様一代+人間二代とされたのは、私見では二冊の講演録に度々出てくるアベル・カインに対する指摘があり、子女様方が死ぬほどカインに苦しめられてきたことが伺える言葉がある。

我々が信仰生活上与えられているアベルというのは、私というカインが堕落性を脱ぐためには重要な存在であるが、この上下関係はある意味においては外的な一時的関係である。このアベル・カインという階層の果てには子女様がおられるのである。

つまり外的なアベル・カインと内的なアベル・カインがある。

アベルの子女が子女様たちであり、カインの子女が我々一世であった。

ところが意外にこの点が教えられていたり、理解されたりすることが少ないように思われる。

「あなたのアベルは?」という問いに対して、教会の誰かを思い浮かべる人は多いが、すぐに子女様を思い浮かべる人は残念ながら非常に少ないことであろう。

実際に子女様のおそばにおられる方はほとんどが韓国人の信徒であろう。韓国でもアメリカでも同様の不理解ばかりか子女様を苦しめる言動が長く続いてきたことが推測されて極めて残念である。

日本では微塵も考えられないことである。

顕進様が「私たち(子女様)の目の前でガムを平気で食べていられるのはあなたぐらいなものだな。」と笑って語られた女性が日本人である。

この方は数年前にアメリカから日本にやって来られた。

目的は子女様のお子様と同世代で、将来御孫様を支えて御旨を推進させていく人材を捜すためであり、面接をしておられた。

このように日本人信徒のなかに、各世代で真の家庭を支えていく伝統の確立とその環境の構築に精誠を尽くされている方がいることは実に誇らしいことである。内的アベル・カインを理解しているからである。

顕進様はコア・バリューとして4つ挙げている。

1,より大きな善のために生きる

2,オーナーシップ(主人意識)

3,チームワーク

4,ドリーム ビッグ(大きな夢をもつ)

 

リーダーシップの最も基本的かつ本質的な資質とは何でしょうか。それは人の心を動かす能力です。心が刺激されることによって、人々は行動へと駆り立てられ、自分自身よりも大きく、広く、そして重要なことにすべてを捧げざるを得なくなるのです。ですから、より大きな善のために生きるという基本的な資質は、人の心を動かすことができるものではないでしょうか

 顕進様は以上のように語っている。

さて縦的軸と縦的伝統に一致化(Alignment)させることが重要であると説いた。

また、リーダーシップについては、いくつか語られているところを挙げることにする。

価値との関係で

リーダーは価値を創造するという点で、リーダーシップはマネージメントとは異なります。リーダーシップとは、初めは価値がなかったものを受け取って、価値を創造するということなのです。すなわち、すべてを価値あるものに作り変えるということです。

情況との関係で

リーダーシップは、すべてが有利な状況にあるときのみ始まるものだと思いますか。真のリーダーシップは、すべてが必ずしも都合の良い情況にはないときに発揮されるものなのです。

人格との関係で

「リーダーシップ」には人格(character)と言行一致(integrity)ということが含まれています。その基盤の上で「経営」を教えれば、その人は指導者になることができます。分かりましたか。ですから、内的なことから始めなければなりません。

組織における基準との関係で

誰かが模範を示し、バー(基準)を引き上げなければならないのです。参加者の平均的な行動を特定して、それをすべての参加者の基準とすればよいのだ、と今では考えられてきました。私たちは過去の教育プログラムがあまり効果的ではなかった理由の一つは、そこにあるのです。もし平均が新しい基準となるならば、平均的な子供は自分たちの基準を下げるようになります。同じように平均以上の子供はだんだん下がっていくでしょう。

 責任との関係で

私たちはレスポンシビリティ(対内責任)とアカウンタビリティ(対外説明責任)を持たなければなりません。そして最も重要なこととして、イニシアチブ(率先性)を持たなければならないのです。

 イニシアチブに関しては、率先して行われるべき重点指針のような意味でも語られ、CARPではイニシアチブの内容が3つ提示された。

第一に、「カルチャル・アライメント(縦的な伝統文化との一致)」を打ち立てる必要があります。

第2に、「スタラテジック・マインドセット(戦略的思考)」を持つ必要があります。言いかえると、私たちの行うことは全部過去ではなく、未来最高であるべきだということです。

そして第3に、「マーケット指向」でなければなりません。すなわち、このW-CARPで行うことを決めるのに、統一運動の外側に存在する様々な機会に目を向けなければならない、ということです。

皆さんがこうした最も重要な点に基づいて自分自身を見つめ、方向づけるようになれば、物事が完全に違って見えてくるようになります

オーナーシップとの関係で

つまり、オーナーシップ(主人意識)なしに指導することはできないということです。

リーダーシップとは、まずもって情熱、すなわち燃え上がるような願望を実体化するものだ、ということを私は何度も話しました。何度も、「自動駆動のエンジン(self-motivated engine)」だと。

 目標に関してはストレッチ・ゴール(能力の限界の目標)を立てることに警鐘を鳴らし、ホット・ゴール(理想的目標)やウォーム・ゴール(実現可能な目標)、またコールド・ゴール(堅実な目標)を立て、それらの目標達成の統計的確率を示すことで予測するMBA的手法に対して顕進様は異議を唱えた。

私はいつも自分にとって非常に大きなゴールを設定してきました。そして「ここが私たちの到達したい地点です。もし到達できなければ、それは逆に良い仕事をしなかったということです。達成した場合、良い仕事をしたということです。私にとっては、極めてシンプルなのです」と言いました。・・・・・

私は実際に変化がどのようにして起こるのか、すなわち、同じ人間でも物事を別の見方で見るようになると、信じられないような力を発揮できるのはどうしてかについて、彼らに説明し始めました。

 アラインメントに関して

このカルチャル・アラインメントと、この(言行一致という)レベルのアラインメントと一貫性を築くことによって、私たちはいい印象を与えることが可能になるのです。

 「アラインメント」というものは、たとえ互いに異なり、何の関連性を持っていなかったとしても、互いにアラインメントさえしていれば、そのすべてのことが摂理的に同じ方向に向くようになるという意味です。

 各自に与えられている天賦の才の覚醒のために

There is no such thing as number two,only Number One!

「ナンバー2はない、あるのはナンバー1だけだ!」

 およそ十年前に語られた内容であるが現在でも色あせていないのではあるまいか。先日面白い記事に出会った。ロミン・エイドルと言う方が書かれた「リーダー育成への継続的投資が世界の潮流」というテーマの文章である。こちらも合わせて読まれると面白いと思うので以下にリンクを示した。次回は少し私見を交えて書きたいと思う。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41128

子女様一人一人には誠に天性の持ち味がある。

人生は山あり谷ありである。

顕進様が充電期間を経て強力なリーダシップを再び発揮される日が早く訪れるよう、真の御母様に一刻も早くアラインメントされることを期待したい。