アメリカの中間選挙の情勢 BBC ロイター フォーブス
【解説】トランプ大統領の勝算は? 米中間選挙を分かりやすく解説 - BBCニュース
より引用
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ドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利から2年、米国民は11月6日に中間選挙に臨む。
選ばれるのは主に連邦議会議員だが、投票結果によってはトランプ政権の今後が大きく変わる可能性もある。ちなみに「mid-term elections(中間選挙)」とは、大統領選と大統領選の間に行われるため、そう呼ばれる。
選挙では誰を選ぶのか?
立法府の連邦議会は上院と下院に分かれている。有権者は今回の選挙で両方の議員を選ぶ。
現在の連邦議会は上下両院ともトランプ大統領が率いる共和党の議員が過半数を占め、支配している。
民主党は今回、下院で過半数議席を獲得し、主導権を奪還するつもりでいる。
民主党が下院で主導権を握れば、例えば米国とメキシコの国境に壁を建築するなどのトランプ大統領の政策を阻止したり、遅らせたりすることができる。
今回の選挙では、下院は435議席全てが改選される。
民主党が過半数議席を獲得するには、少なくとも23議席を共和党から奪わなければならない。
これはそう難しいことではない。今年は多くの共和党議員が引退を表明しているため、議席も宙に浮いているのものが多い。
同じく共和党が支配している上院の選挙戦は、より見ごたえがあるだろう。今回は100議席中35議席が改選される。
民主党が2議席増やせば過半数を奪還できるが、共和党の改選議席はわずか9議席で、そのほとんどが共和党のままになると考えられている。
では、もし共和党が上院の支配を維持し、民主党が下院で過半数議席を獲得したらどうなるのか?
一言で言うなら、こう着状態だ。
政府内で共和党勢力と民主党勢力が拮抗し、なにひとつ合意できず、政府機関が事実上停止する「政府閉鎖」の危険性が大きく高まることになる。
優勢なのはどちらか?
支持率調査を信じるなら、民主党がさまざまな場所でリードしている。
一部の専門家も、今年の中間選挙はいわゆる「津波選挙」となり、民主党が大きく議席数を増やすと考えている。
また先例を見ると、中間選挙では与党が不利になりがちだ。南北戦争のあった1861~1865年以降の中間選挙で、与党は下院で平均32議席、上院で平均2議席、それぞれ議席数を減らしている。
つまり、トランプ大統領にとっては敗色が濃くなっている。
トランプ氏の支持率は40%前後を行き来しており、現代で最も評判の悪い米大統領の1人と言える。これも共和党にとっては不利に働き、民主党を活気付けるだろう。
さらに、今年は女性の立候補者数が史上最多となった。これには多くの理由がある。
2016年の大統領選でヒラリー・クリントン候補が負けたことへの意趣返しだという候補もいるが、何より共通しているのはトランプ大統領の政策に対する怒りだ。
一方、米経済の好調ぶりが、共和党への追い風になる可能性もある。
米国の昨年の家計所得は3.2%増加し、失業率は下がり続けている。トランプ大統領はツイッターで、米経済は「史上最高だ」と述べている。
トランプ大統領にとってこの選挙は?
トランプ政権はこの2年間、数々のスキャンダルに巻き込まれてきた。2016年大統領選でトランプ陣営がロシアと結託していた疑惑や、大統領自身が過去の不倫に絡み違法な金銭を支払っていたという疑いなどで、捜査が進んでいる。
今のところ民主党の主要議員らは、トランプ大統領の解任や辞任要求について公には話をしていない。
しかし、もしトランプ大統領をやめさせるとなった場合、下院では過半数以上の議員が弾劾決議に賛成票を投じる必要がある。
その次はどうなる? 大統領は「反逆罪、収賄罪、その他の重大な罪または軽罪」について上院で弾劾裁判にかけられる。
もし上院議員の3分の2以上が有罪と認定したら、トランプ大統領は職を追われ、保守傾向の強いマイク・ペンス副大統領が代わりを務めることになる。
これはどれほどすごいことなのか? これまでに、弾劾裁判で罷免された米大統領はいない。リチャード・ニクソン元大統領は下院に弾劾決議が提出される前に辞任した。ビル・クリントン元大統領は、上院の弾劾裁判にかけられたが、有罪にならなかった。
トランプ氏の場合、弾劾裁判で罷免されるよりも、政策が何も実現できなくなる事態のほうがあり得る。民主党が下院で過半数を取れば、トランプ大統領のあらゆる政策を次々と阻止できるからだ。
中間選挙の後は何がある?
中間選挙が終わると、次に待っているのは2020年の大統領選挙だ。
投票自体は2020年11月3日に行われるが、選挙キャンペーンは2019年に始まる。トランプ大統領は2期目を目指すと考えられている一方、民主党の候補は2020年1月から始まる数々の予備選を経て決まる。
今回の中間選挙では連邦議会議員に加え、36州で州知事選挙が行われる。
大統領選挙のキャンペーンでは、寄付金を募ったりボランティアを集めたりと、州知事が党候補の支援で大きな役割を担うことになる。
そのため、中間選挙で新たに選出される州知事が、2019~2020年の大統領選に大きな影響を与える可能性がある。
(英語記事 A really simple guide to the US mid-term elections)
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ロイターはどう報じているか。
アングル:米中間選挙、民主党は下院を奪還できるか | ロイター より引用
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[3日 ロイター] - 11月6日の米中間選挙が近づくにつれ、民主党が圧勝する「青の波」が起きる可能性について語る人が増えてきている。だがトランプ米大統領は、共和党の「赤の波」が起きると支持者に訴えている。
中間選挙の結果、野党が下院の支配権を取り戻すケースは珍しくないが、選挙で大波が起きることはめったにない。民主党は1974年(49議席)と2006年(31議席)に下院で大逆転劇を演じ、共和党は1994年(54議席)と2010年(63議席)に圧勝した。
どちらの色にせよ、「波」が起きるには以下の数字が鍵となる。
下院435議席の過半数を獲得するには、民主党は現在の議席を維持しつつ、共和党から23議席を奪う必要がある。
通常、現職議員から議席を奪う方が、空いている議席を獲得するよりも難しい。トランプ政権1期目は、1992年以降で最大となる人数の現職下院議員が退任するため、民主党が議席を奪う可能性は確実に高まっている。
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●「ひっくり返せそう」な選挙区数:55カ所
どちらの候補が勝ってもおかしくない、激戦区とみられる下院選挙区55カ所のうち、現在50カ所を共和党議員が、残りわずか5カ所を民主党議員が占めている。政治アナリストが「五分五分」とみる選挙区数は、この選挙活動シーズン中で20から38カ所に増えている。
●民主党の支持率:3ポイントリード
ロイター/イプソスの世論調査によると、こうした激戦区では、今年の大半において、登録有権者は一貫して共和党より民主党を支持している。
両党の支持率の差は最近、縮小している。9月後半の調査では、有権者の42%が民主党下院候補に投票すると回答。一方、共和党候補を支持すると答えた人は39%だった。激戦区では、民主党が約3ポイントリードしている。
今年行われた予備選挙の投票率は、4年前と比べ、共和党も民主党も上昇した。だが多くの州で、上昇率は民主党が共和党を上回っており、11月の中間選挙に向けて民主党の方が盛り上がっていることを示唆している。
2018年と2014年の州知事予備選で両党が少なくとも2人の候補を出した15選挙区のうち12カ所で、民主党の投票率の伸びが共和党のそれを上回った。
民主党と比べて、共和党の投票率の伸びは控えめだった。全体として、両党が予備選で競い合った選挙区では、共和党の投票率は平均34%上昇、民主党のそれは85%に急上昇した。
民主党の下院議員候補は、1人当たり約7万ドル(約800万円)を小口献金によって得ている。小口献金は有権者の熱狂度をはかる良い指標となっており、民主党候補が得る献金額は共和党候補の約2倍となっている。
米調査機関ピュー・リサーチ・センターによる2016年調査によると、選挙で毎回、あるいはほぼ毎回投票すると答えた人のうち、21%は献金も行っていると回答。一方、ほとんど投票に行かないと答えた人で、献金していると回答した人はわずか4%だった。
民主党が得た小口献金の総額も、2014年の同時期と比べ、70%近く増加している。
●まだ中間選挙まで1カ月以上
共和党は、9月時点での選挙予想をさほど心配しなくてよい理由を探すには、2016年の大統領選挙を振り返りさえすればよい。
同大統領選では、有権者の8人に1人が選挙が行われる週に決断しており、そうした人の大多数がトランプ氏を選んでいた。
多くの下院選挙区で、同じことが再び起きる可能性を示す証拠がいくつかある。ロイター/イプソスの9月調査によると、有権者の5人に1人程度が、選挙日にどう投票するか、それとも投票しないか、まだ分からないと答えた。
もし10月に彼らのうち十分な数が決断するか、あるいは心変わりして共和党候補を支持するのであれば、「青の波」が起きる可能性は完全に消滅するかもしれない。
(翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
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フォーブスはどうか。
米中間選挙は民主党が勝利か? 予測が困難な理由 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
より引用
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米国ではこのところ、11月6日に行われる中間選挙で“巨大なブルー・ウェーブが起きる”(野党民主党が大勝する、青は民主党のシンボルカラー)という話をよく聞く。実際にそうした大波が押し寄せる可能性は確かにあるが、まだ結果を予想するのは難しい。
米国では、1期目の大統領は中間選挙で平均23議席を失う。さらに、民主党は今回、中間選挙の候補者選びを順調に進めている。より多くの女性、白人以外、穏健派(与党共和党が優勢な地区で無党派層にアピールするため)の候補を擁立したほか、退役軍人の候補者も多い。こうした人選が有効かどうかは分からないが、悪い結果を招くとは考えにくい。
また、2008年と2012年の大統領選でバラク・オバマを支持したものの、2016年の選挙では目立った動きを見せなかった「オバマ連合」も動員され、投票に向けて準備を整えているもようだ。
この連合に含まれるのは多くが若い有権者。特に女性と白人以外、クリエイティブ・クラス(頭脳労働で報酬を得る人たちからなる新たな社会階層)が多くなっている。
国民の関心事
どの世論調査をみても、結果には大幅な男女差がある。セクハラ告発運動「#MeToo(私も)」が行われてきたことや、女性候補者が過去最多となっていることからも、こうした結果は驚くべきものではない。ただ、共和党は特に女性に関する問題について、感覚が鈍いとみられている。
さらに、多くの世論調査の結果から分かるのは、医療保健の問題が民主党支持層にとっては最大、またはそれに近い重要な問題だということだ。共和党はオバマ前政権が成立させた医療保険制度改革法(オバマケア)の改廃を目指しているが、それが保険給付やメディケア(高齢者向け医療保険制度)の維持に対する大きな恐怖感をもたらしている。
共和党は「鈍感」でも経済に強い?
ただし、共和党は支持率を下げてはいても、“アウト”ではない。本記事の執筆時点で米国の失業率は3.9%、白人以外の失業率は過去最低の水準だ。実質国内総生産(GDP、4〜6月期)は、前期比年率換算で4.2%増。製造業ではおよそ40万件の新規雇用が創出され、賃金も過去数カ月にわたって上昇している。
重要なのは、「自国が正しい方向に進んでいる」と考えるアフリカ系、ヒスパニック系、そして若年層の割合が増加していることだ。最近の世論調査では、こうした見方を示した人は全体の40%を超えている。それほど素晴らしい数字というわけではないが、ドナルド・トランプが大統領に就任して以来、この割合は28~30%程度だった。
トランプの支持率は、今年7月の調査では45%。これも素晴らしいといえる結果ではないが、同時に散々だ、危険だ、というほどの水準でもない。さらに、共和党支持者の間でのトランプの支持率は88%だった。支持率は経済政策に関しては50%を超え、外交政策については42%となっている。
民主党の勝利に必要なのは?
世論調査の結果が、中間選挙での共和党の勝利を意味するものかどうかはまだ分からない。だが、共和党がそれほど支持を失っているわけではないことは明らかだ。40年以上にわたって世論調査を専門としてきた筆者の経験では、民主党が選挙で勝利するには、支持率で共和党に5~6ポイントの差をつける必要がある。現在の民主党のリードは平均6~8ポイント。地滑り的勝利を予想できるほどの差ではない。
また、上院議員選挙で最も接戦になると予想される8つの州(フロリダ、ミズーリ、インディアナ、ネバダ、ノースダコタ、モンタナ、テネシー、アリゾナ)では、両党の支持率の間にはゼロ~わずか数ポイントの差しかない。勝敗の予測は難しい情勢だ。
共和党は、大統領ではなく経済を争点にしたがるだろう。一方の民主党は間違いなく、大統領とその粗暴さ、各国に対して恥ずべき態度や根拠もなく他者を侮辱する言動、時に一貫性を欠き、不適任とみることもできる行動を指摘することによって、支持層に再結集を呼び掛けようとするだろう。
だが、民主党に不可欠なのは国民に対して明確に、米国が抱える問題については自党の方により良いプランがあると示すことだ。
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