内外記者会見-平成29年1月16日
【安倍総理冒頭発言】
安倍政権、5年目の外交は、アジア太平洋からスタートします。
この地域にしっかりと軸足を置きながら、地球儀を俯瞰する視点で、積極的な外交を展開する。振り返れば、その最初の訪問国も、ベトナムでありました。
4年ぶりに、ここハノイに戻ってまいりました。あの時と変わらぬ、ベトナム国民の皆さんの心温まる歓待に、まず冒頭、心から感謝申し上げたいと思います。
今年、ベトナムはAPECの議長国であります。この秋、再び、ベトナムを訪れることを楽しみにしています。
ハノイを貫く、雄大なホン川。その水は、南シナ海へ流れ込み、東シナ海を経て、東京湾の水とつながっています。その間の自由な往来を阻むものは何もありません。
我が国とベトナムは、「自由な海」で結ばれた、隣国同士であります。フィリピン、インドネシア、そしてオーストラリア。今回訪問した国は、いずれも、太平洋という「開かれた海」を共有し、基本的な価値を共有する、重要な隣国ばかりであります。
海洋の安全、航行の自由の原則が極めて重要であること、そして、そのためにも、法の支配がしっかりと貫徹されなければならない。その認識で、いずれの国とも、完全に一致しました。
ベトナムやフィリピンに巡視船等を供与し、海上における法執行能力の強化を支援します。インドネシアのジョコ大統領とは、海上安全や離島開発における協力を進めていくことで合意しました。
オーストラリアのターンブル首相とは、防衛にかかる物品・役務の相互提供の新たな枠組みなど、安全保障・防衛協力の強化で一致しました。日本と豪州、そして米国、インド。基本的価値と戦略的利益を共有する国々との連携の重要性も確認しました。
日米同盟という強固な基盤の上に、我が国と海で結ばれた、アジアから環太平洋地域、さらにはインド洋へと至る、この地域の平和と繁栄を確固たるものとする。そのために、日本は、「自由で開かれたインド太平洋戦略」の下、地域の一員として、大きな役割と責任を果たしていく覚悟であります。
この広大な海を舞台に、古来、たくさんの人々が、自由に行き交い、そして共に暮らし、共に繁栄を享受してきました。
多くの日本人も、未来への希望を胸に、この海を渡りました。ダバオ開拓に一身を捧げた太田恭三郎も、その一人です。
一世紀余り前、弱冠29歳の若者は、大きな志を持って、フィリピンのダバオにやってきました。持ち前の勤勉さで努力を重ね、暴風にも、干ばつにも、ひるむことなく、マニラ麻の栽培に成功しました。さらに、病院、道路、港の整備。日本人とフィリピン人が、共に暮らし、共に豊かになるため、力を尽くしました。
そのダバオは、ドゥテルテ大統領の故郷でもあります。今回、大統領にお招きいただき、共に訪問しました。多くの方が日の丸を手に、私たちを歓迎してくださいました。本当に感激いたしました。大統領の私邸にも伺い、正に胸襟を開いて、二国間の関係の一層の発展、さらには、この地域全体の課題について、忌憚のない意見交換ができました。
ドゥテルテ大統領は、今年、ASEAN議長を務めます。大統領と手を携えて、日本として、自由で、開かれた、ASEANの、更なる統合、発展、安定に貢献していく考えであります。
本年は、ASEAN創設50周年の節目の年であります。
ASEANは、大きく成長を続け、これからも「世界の成長センター」として、更に躍動していくでありましょう。
この10年間、先進国が低成長に苦しむ中で、今回訪問したASEAN諸国では、一人当たりの国内所得の上昇が30%から50%に達しています。ハノイの風景も、4年前とは、大きく変わりました。
鉄道、港、発電所の建設、灌漑や治水など、急成長を遂げるアジアの旺盛なインフラ需要に、日本は、信頼と実績、高い技術力を生かして、貢献していきます。
20年前、フィリピンに進出した、三重県の金型メーカーは、長年、人材育成に取り組んできました。今や、高度な金型も、現地スタッフの皆さんだけで、製作できるそうであります。4年前、インドネシアでも合弁会社を設立し、同じように、インドネシアの若者たちの技術向上に取り組んでいます。
日本の技術を、単に持ち込むのではなく、人を育て、しっかりとその地に根付かせる。これが、日本のやり方です。
今回の訪問では、それぞれの国に根を張ってビジネスを行ってきた、建設、エンジニアリング、物流、商社など、総勢76社に及ぶ日本企業のトップの皆さんが、経済ミッションとして同行しました。
山形、福島、富山、広島など、地方で頑張る企業の皆さんもいます。地方から海外へ、アジアへ。アジアの成長は、地方にとっても、大きなチャンスであります。
今回訪問したベトナム、フィリピン、インドネシアの三か国を合わせれば、人口は日本の3倍以上、4億5千万人に達します。それだけの数の人々がどんどん豊かになっていく。この地域にみなぎる活力を、日本の成長につなげ、共に繁栄していきたいと思います。
その基盤は、自由貿易であります。自由で、ルールに基づく公正なマーケットを創り上げていかなければなりません。
そのスタンダートともいうべきTPPの早期発効を目指すことを、今回の訪問でも改めて確認しました。このTPPの成果を礎として、今後、RCEPなどの、より大きな、質の高い、野心的な協定を目指してまいります。日本は、常に、自由貿易体制の旗手であり続けたいと思います。
千葉県の袖ケ浦さつき台病院では、現在、24人の、アジアの若者たちが、働いています。
いつも元気いっぱい、何事にも一生懸命な若者たちの存在は、世界に先駆け「高齢化」という課題に直面する、日本の医療・介護の現場に、新しい活力を生み出してくれています。
その一人、ベトナムからやって来られたハイさんは、こう語っています。
「日本で学んだことを、ベトナムに戻って、自分の後に続く人たちにも伝えていきたい。」
躍動感あふれる、このアジアでも、近い将来、高齢化が大きな課題になると予想されています。日本は、高度な医療技術や介護のノウハウ、経験で、そうした未来の課題の解決にも貢献していきます。そして、この地域の未来を担う、若者たちの交流は、その大きなエンジンになると考えています。
共に力を合わせ、共に未来を拓く。
この地域の平和と繁栄のため、日本は、これからも、強いリーダーシップを発揮していく決意であります。
私からは、以上です。(首相官邸より引用)
NATOは冷戦時代の産物である。
以下にウィキペディアの説明がある。
北大西洋条約機構 - Wikipedia より引用。
第二次世界大戦が終わり、東欧を影響圏に置いた共産主義のソビエト連邦との冷戦が激しさを増す中で、イギリスやフランスが主体となり、1949年4月4日締結の北大西洋条約により誕生した。結成当初は、ソ連を中心とする共産圏(東側諸国)に対抗するための西側陣営の多国間軍事同盟であり、「アメリカを引き込み、ロシアを締め出し、ドイツを抑え込む」[† 1](=反共主義と封じ込め)というヘイスティングス・イスメイ初代事務総長の言葉が象徴するように、ヨーロッパ諸国を長年にわたって悩ませたドイツの問題に対するひとつの回答でもあった[† 2]。加盟国は集団的安全保障体制構築に加えて、域内いずれかの国が攻撃された場合、共同で応戦・参戦する集団的自衛権発動の義務を負っている。
NATOは自由主義世界と共産主義世界の戦争を回避するため、また、いざ紛争が起こっても自由主義世界を守るために設立されてきた。
クリミア半島やシリア問題では、アメリカとロシアが対立する構図が再び持ち上がるのかと多くの人の関心が集まった。
だが、トランプ大統領の誕生で、双方が歩み寄り解決の道が見えてきた。
ヨーロッパの危機はいったん回避できた。
共産主義国家の代表格は、三段階に発展?してきた。
蘇生期:ロシア
長成期:中国
完成期:北朝鮮
ロシアとの核戦争は再び回避できた。
だが、中国や北朝鮮が残っている。
先ず韓国の世論を容共的人物で次期大統領候補と思われる人たちに煽らせ、
朴大統領と国民を分断し、南進の機会を虎視眈々と狙っている。
中国の方は日本と尖閣列島問題が自分の国の領土だとし、フィリピンにたいしても南沙諸島の所有権を主張し、経済援助のえさを与えながら、強引に建設物をつくっている。
現在は、過去において対立してきた自由主義陣営と共産主義陣営の対立がアジアで先鋭化し、核戦争の脅威も韓半島を中心に展開している。
もう一つは、中国周辺の海洋を中心に展開し、中国は経済援助を差し伸べて各国を中国覇権の属国化しようとして、自由主義世界を守るアメリカと対峙していることである。
中国の狙いはアジアの自由航行している海洋の航行権を中国が抑えようというものである。
もし各海洋に中国の関所ができ中国の意を受け入れなければ通行できない状況に陥れば
自由貿易は大変な打撃を受ける。
米軍が何故アジアに配備されているのか?
その理由の最たるものが、自由貿易を支える海洋の自由な航行権を守るためである。
だが、中国の共産主義を上手に崩壊させなければアジアには平和は訪れない。
今後においては我が国と北方領土問題を抱えるロシアとも自由社会の一員として
連携していかなければならい難しい舵取りが安倍総理には求められている。
いまや。中国をアメリカだけでは牽制はできても、なだめすかすことは容易ではない。
米日露が一体化して基軸となり、アジアと世界の平和を維持しなければならない。
安倍総理はおそらく日本の首相ではじめて、アジアが共生共栄していくための布石を強力なリーダーシップをもって展開してきた。
法の支配による正義という共通の価値観と経済援助。経済協力をして、
中国の意図を阻止するべく外交展開してきた。
アジアでの戦いにシフトしてきた。
われわれはここでの戦いを思想戦のうちに留める勝利を勝ち取らなければならない。
日本での平和で安全な日々の生活と繫栄はこれらの謀略を阻止してこそ成立し、
維持されるものである。
最優先課題なのである。
NATO(North Atlantic Treaty Organization )から
PRTO(Pacific Rim Treaty Organization)の時代へ
戦略的にも戦術的にも敵に対してハードであった。
今日安倍総理はそれを戦略的にはハードでも戦術的にはソフトに展開している。
実に賢い選択である。
戦略は厳しく、戦術は柔らかに
つまり、自由航行というキーワードを前面に出してやわらかに展開している。
だがこれは、実質的には我が国が共産化されぬようにする強力なリーダーシップである。
かってアジアを支配しようとした我が国は、
今日アジアの共存と平和のもとに繫栄するヴィジョンを提示しているのである。
2月10日に安倍総理が訪米してトランプ大統領と会談されるという。
アジアを法の正義による自由の確立に導いてきた安倍総理が
トランプ大統領のアメリカと連結することで環太平洋地域は
Pacific Rim Treaty Organizationの完結に向かって前進するであろう。
平成28年11月17日 トランプ次期米国大統領との会談 | 平成28年 | 総理の一日 | 総理大臣 | 首相官邸ホームページ より画像を引用
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