原理講論を読む

日常生活の中で 考える糸口を求めて

荻生 徂徠に学ぶ アベルの正道

ブログを書くのは本日が今年最後となりそうである。そこでいつもとは違ってアベルの正道を理解するための糸口を我が国の賢人 荻生 徂徠先生の言葉によって学んでみたいと思う。

小泉元総理がかって佐藤一斎が書いた「重職心得箇条」を現職の時に読んでいたことを明らかにされていたが、荻生 徂徠先生の言葉も実に味わい深いものがある。

若い頃からリーダーシップに関するものをいくらか呼んでは来たが、学問的にはそれなりに面白いものではあったが、さて自分の修養に取り入れようとすれば、すうっと腑に落ちるような種類のものにはとんと巡り会うことができなかった。

ところが今から350年ほど前に生まれたこの人物の言葉には重みがある。昔の日本人はたいしたものである。

下手な道徳の教科書を学ばせるより、毎日このような言葉を繰り返し声を挙げて素読させる方がずっと人物ができあがるに違いない。

よけいなことをだらだらと話せば話すほど無駄であるのでご本人の言葉に登場して貰って今年の締めくくりとさせて頂きたい。

良いお年をお迎え下され!

 

上役たる者の心得

          荻生 徂徠

  1. 人の長所をはじめより知らんと求むべからず。人を用いてはじめて長所の現れるものなり。
  2. 人はその長所のみを取らば即ち可なり。短所を知るを要せず。
  3. 己が好みに合う者のみ用うるなかれ。

  4. 小過を咎むる要なし。ただ事を大切になさば可なり。
  5. 用うる上はその事を十分に委ぬるべし。
  6. 上にある者、下の者と才智を争うべからず。
  7. 人材は必ず一癖あるものなり。器材なるが故なり。癖を捨てるべからず。
  8. かくて、良く用うれば事に適し時に応ずる程の人物は必ずこれあり。