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イランに奇跡が起こった ロウハニ大統領が再選され保守政権が国民に採択された

イラン、開放路線を選択 ロウハ二大統領再選 (写真=AP) :日本経済新聞

より引用

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 【テヘラン=岐部秀光】イラン大統領選で再選を決めた穏健派の現職ロウハニ師は、2015年の米英独仏中ロとの核合意を主導した。合意で定められた義務を順守するとみられ、イランで強硬派政権が誕生し米国との対立が一段と深刻になる筋書きはひとまず回避されたようにみえる。だがトランプ米政権はイラン敵視を鮮明にしており、ロウハニ師の2期目の道は平たんでない。

 

19日、首都テヘランで投票する市民ら=AP
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19日、首都テヘランで投票する市民ら=AP

 今回の選挙は強硬派がライシ師に候補を一本化し接戦も予想された。だが首都テヘランなど都市部で強硬派の主張は不人気で、70%を超す高い投票率はロウハニ師に有利に働いた。穏健路線を望む若者や女性が中心となり、予想を上回るロウハニ師の圧勝を導いた。

 「核合意を台無しにするつもりなのか」。ロウハニ師は選挙期間中、革命防衛隊が昨年実施した弾道ミサイル発射実験でミサイルに「イスラエルに死を」と書き込んだことを批判した。イスラム体制の支柱である革命防衛隊を批判するのは大きなタブー。強硬派を敵にまわしてでも改革派の若者らの票を取り込もうという大きな賭けだった。

 

ザンギャネ石油相やザリフ外相は今回の選挙でロウハニ師の支持を表明しており、残留の可能性が大きいとみられている。イランの石油政策や外交政策の大枠は維持されるとの見方が支配的だ。

 選挙戦では、対外融和や経済開放を掲げるロウハニ政権に対する強硬派の不満の大きさが浮き彫りになった。ロウハニ大統領は強硬派との対立をやわらげて、国内の亀裂を修復する必要がある。

 イランで大きな権力を持つのは有権者が選ぶ大統領ではなく、最高指導者のハメネイだ。選挙結果の発表を受け強硬派寄りのハメネイ師は20日、有権者への謝意を表明したが、ロウハニ師への祝意は口にしなかった。ロウハニ師は今後、ハメネイ師の意向を一段と配慮しなくてはならない。

 核合意の内容に不満を持つトランプ米政権は、制裁の解除をこれからも続けるかどうかを含め、イラン政策の見直しを進めている。米側が核合意破棄などの極端な動きに出れば、イラン側も対抗措置を打たざるを得なくなる。イラン批判を強めるサウジアラビアに対しても、ロウハニ師は抑制的な対応を続けてきた。だが、トランプ氏が進めるイラン包囲網の強化に賛同するイスラエルやサウジが敵対的な言動を加速させるかもしれない。

さらに、低迷する経済も政権運営の足かせとなる。イラン経済は核合意に伴う制裁解除の効果が期待されたほど広がっていない。核合意とは別に、人権やテロ支援を理由に米国が維持する独自制裁の効果が強く、企業はイランビジネスになお慎重だ。

 失業率は12%程度と高水準に達し、若者が職を見つける環境は厳しい。核合意の成果がいつまでもみえないと、合意に批判的な強硬派を勢いづける可能性がある。

 国際社会にはロウハニ師再選に安堵が広がる。欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表はツイッターで「EUは核合意の完全な履行へ努力を続ける用意がある」と表明。ドイツのガブリエル外相は声明で「核合意以来の開放路線への評価だ」と語った。

 ロウハニ師と事実上の一騎打ちを演じたライシ師は、高齢の最高指導者ハメネイ師の後継者との見方もあった。大統領選での大敗は、将来の最高指導者就任の道を険しくするとみられている。

 ▼イラン核合意 米英独仏中ロの6カ国とイランが2015年に合意したイランの核を巡る包括的共同作業計画。16年1月に履行された。イランは濃縮ウラン貯蔵量の削減や遠心分離機の削減など原子力分野の活動を大きく制限されることを受け入れた。米国や欧州連合(EU)が核関連の制裁を停止し、国連による制裁を解除した。中東の核開発ドミノを阻止する動きとして評価される一方、イランと敵対するサウジアラビアイスラエルが強く反発した。

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選挙前の情報では,対抗する勢力が一本化を計ったので、票の予測では逆転されたというものであったが、選挙戦に賭けに出たロウハニの戦略が功を奏した感じである。

本当に危なかった。

トランプの中東訪問も実りがあることを祈る。

 


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