中国の外貨準備高がいよいよ3兆ドルを割ったと報道された。
小笠原誠治氏が以下のサイトで中国の外貨準備高について説明されているので引用する。
中国の止まらない外貨準備高の減少 | 小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! | Klug FX(クルークFX)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
中国の外貨準備高の推移を示したものですが、ピーク時には約4兆ドルほどにまで達していた外貨準備高が、2014年夏頃から減少し始め、最近では減少のペースがさらに早まっているのです。
では、何故外貨準備高が減っているかと言えば、資本の流出を背景とした人民元の下げ圧力が強くなっているため、中国当局が、外貨準備を取り崩して人民元を買い支えているためなのです。
もう一つのグラフをご覧ください。
人民元の推移を示したものです。
2015年8月に、突然人民元の切り下げを行ったことは記憶に新しいところだと思うのですが、その後暫く人民元高に振れた後、こうしてまた下げ圧力が強まっているのです。
つまり、これだけ外貨準備を取り崩して人民元を買い支えても、こんなに人民元の価値は下がり続けているのです。
中国当局は、これだけ人民元の下げ圧力がかかっても、依然3兆ドルを超す外貨準備を保有しているから心配は要らないなんて言っていますが...しかし、表面上の数字はそうだとしても、中国が保有する米国債の保有残高は1兆数千ドル程度のものであるので、残りの2兆ドルの外貨準備は、外貨準備とは言っても直ぐに換金が可能なものではない可能性があるのです。
だとすれば、自由に使える外貨準備はあと1兆ドル程度と思っていた方がいいのかもしれません。
ただ、中国の貿易収支は依然として黒字を計上しているので、このまま人民元安が続く可能性はそれほど大きくないかもしれません。
2016/01/11 (月) 13:32
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後、トランプ大統領が就任され、事態は急変していく。
中国で生産しようとしてきた企業が、アメリカ本土で生産しようと考える。
中国に工場をつくって生産しようと思っていた外国企業も中国から方向転換する現象が
つづいてきたらどうなるのだろうか。
また自動車の部品なども中国から輸入したものに頼らず、自国のものを使うよう促すというようなことが、どんどん起こってくると、マスコミはアメリカばかり見て保守主義だのどうのと非難するが、見方を変えれば、まるで中国をつぶしにかかっているかのようにも見える。
わたしは経済に通じていないので、それが意図的なのか、偶然なのかはよくわからないが、共産主義の中国が上手に崩壊する結果を導いているように思われる。
小笠原氏の説明のような状況の時に、カウンターで顎を殴るように、トランプの実行が立っていられないくらいに足に効いてくるのではないだろうか?
トランプは実に面白い男である。
大和総研の斎藤尚登氏の以下のレポートからいくらか引用する。
最も警戒すべき米中間の火種は? | リサーチ | 大和総研グループ | 齋藤 尚登
米国の次期大統領トランプ氏は、「中国からの輸入品に45%の関税をかける」「中国を為替操作国に認定する」などと発言し、物議を醸した。
2015年の中国の対米輸出は4,092億米ドルと全体の18.0%を占める。仮に米国が45%の輸入関税を課した場合、中国の対米輸出は、大打撃を受ける可能性が高い。中国への影響は言うまでもないが、対中国輸出に占める中間財の割合が高いマレーシア、台湾、韓国、インド、日本、タイといったアジア各国・地域も大きな影響を受けることになろう。
確かに、貿易政策上、米国の大統領に付与された権限は大きく、150日を超えない範囲内で、輸入割当を実施し、あるいは15%以内の輸入付加税を課すことができる。それでも、中国からの全ての輸入品に45%の関税をかけることは、その権限を大きく逸脱しているし、WTOの規定違反である。
一方、為替操作国の認定は米財務省が行うため、実行される可能性はある。しかし、人民元レートの水準は、明らかに割安に放置されていた10数年前と現在とは状況は大きく異なる。人民元の実質実効為替レートの推移を見ると、中国が事実上の米ドルペッグ制を取り止め、管理フロート制を導入した2005年7月21日以降、およそ10年にわたり元高傾向が持続し、2005年~2015年までの間に59.1%上昇した。2016年こそ元安が進展しているが、現在の人民元は少なくとも明らかな元安とは言えない。
トランプ大統領の基本情報は以下のNHKサイトがお薦めである。
応援して下さる方は上のロゴをクリックして下さい。