原理講論を読む

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創造原理 被造世界の創造過程とその成長期間③ 祝福二世に山口実の「ミネルバの森の哲学教室」を推薦する


進化論の終着点 - YouTube

山口實(実)の「ミネルバの森の哲学教室」副題:生命の誕生と本質の巻 は哲学という言葉が入っているので難しい本のように思われるかも知れないが、中学2~3年生から読めるような平易な文章で書かれ、しかも本質的な内容が書かれている。

この本の特徴は、

ひとつは対話形式で書かれているので取っつきやすいこと。もう一つは挿絵や図解が随所に見られて理解しやすいこと。生涯カントの純粋理性批判を読み解いてきて、思索してこられた、かみ砕かれた理解が根底にあって、読者が生命の根源や本質に日常語で迫ることができるよう配慮されている良書である。

読んで楽しくなる本である。

進化論について書かれている統一教会の本に比べても格段に親しみやすい本なので、平積みにして愛美書店に展示して多くの信徒に触れるように願いたい本である。著者の真心と力量が感じられる。

稲垣和久の「進化論を斬る」では随分文章を引用した。引用しなかった所にも面白い話がある。翌年に出版されたジェレミー・リフキンのベストセラーである閉鎖系の「エントロピーの法則」に対して生物の世界がの解放系の法則を要請していることを明らかにしていて有意義であった。ビジネスでオープンシステムということばが使われるのにその後10年近い時がかかったように思う。

ミネルバの森の哲学」ではどのようなことが書かれているのかお知らせするためにどうしたものかと考えたが、目次より小見出しが文中にたくさんあるので、本の初めの方から列挙していった方が分かりやすかろうと思った。

また、内容を詳しく語るより直接関心を持った方が本にじっくり接して味わって頂きたいと考えている。

 

生命の存在はどのように証明されるか?

 

「生物は超精密な機械以外の何ものでもない?」

 

「愛も憎しみも怒りも 機械だったら生じない」

 

「機械だったら責任も問われない」

 

「機械だったら「私」もないし 突然の死もない」

 

「愛や自由や「私」は妄想か?」

 

目の驚くべき構造・・・それを造る知性が必要なこと

 

「生命と生物とは 区別して考えなければならない」

 

「このような合目的的構造が出来るには知性の働きが必要」

 

細胞の驚くべき構造・・・それを知る知性が必要なこと

 

「細胞の中を探索する」

 

「小さく精巧なものほど 造るには知性が必要」

 

「タンパク質を造る リボソームの働き」

 

「驚くべき叡智の足跡」

 

「生命もこの驚異的な叡智から」

 

偶然の突然変異だけにまかされたら、生物はたちまち全滅

 

「十個のコインが同時に全部表を出すのは1024回に一度だけ」

 

「一つの部分がダメでも 全体がダメになる」

 

「偶然の変異にまかされていたのではたちまち盲目に」

 

「生物が偶然の変異にまかされた実際のケース それが死」

 

ダーウィン先生がいま天界で思うこと

 

「異変の回数が多いほど 進化には不利になる」

 

「太陽系が 魚で一杯になっていたはず」

 

「膨大な時間の中なら 何だって可能になるか?」

 

進化には方向性が見られるが、偶然だけではそれは不可能

 

全く別々の進化ルートで同じような進化が進むのは偶然ではあり得ない」

 

「進化には自然淘汰と 生命の努力の両方が不可欠」

 

「相関には二つある それを混同してはならない」

 

「間違った三段論法」

 

環境の影響だけでは進化は進まない

 

「環境が身体を変化させるだけで 進化は進むか」

 

「個体発生にみられる 生命の積極的な働き」

 

「生命の素晴らしい臨機応変の処置」

 

遺伝子はただ変化するだけか? 進化は人間の傲慢な考えにすぎないか?

 

「遺伝子の変化には方向性がある」

 

「進化とは自由を拡大すること」

 

「三段構えで環境に対処する」

 

「生物の体は国家機構のような 階層組織になっている」

 

「メカニズムも知らずにスーパーコンピューターを使う生命」

 

「機械のプログラムと 生物のプログラムの違い」

 

記憶はどこに蓄えられるか? 脳の中? それとも生命の中?

 

「記憶には二種類ある」

 

「記憶が脳だけでは蓄えきれない理由 その1 情報量が多すぎるため」

 

「記憶が脳だけでは蓄えきれない理由 その2 記憶が注意力に影響されるため」

 

「記憶が脳だけでは蓄えきれない理由 その3 概念が物質因子では記録できないため」

 

「理性が与えられたから本質をとらえることが可能になり、概念が生まれ、言語が生まれ、科学が驚異的に発達するようになった」小幡

 

記憶と脳と深層意識の関係

 

「脳のキーボードが深層意識(生命)の中に記憶を響かせる」

 

「深層意識の世界は生命の世界」

 

豊かな深層意識(生命)の世界

 

「子供時代の記憶がどうして最後まで残るか」

 

「死に瀕したときの記憶の噴出現象はどうして起こるか」

 

「プログラムも 生命の中に蓄えられる」

 

生命と物質とはどこが違うか?(空間的広がりからみた違い その1)

 

「物質と生命の根本的な特徴を 二つの視点から比較する」

 

「物質は互いに相手を排除する 物質の相互外在性」

 

「生命は物質や空間に邪魔されない 相手の中に浸透する 生命の浸透性」

 

「生命は偏在する」

 

「何か巨大な「生命の円運動」が宇宙に展開している」

 

「円運動する生命」

 

「生命も生命の活動も五感では感じられない」

 

「機械との違いまた一つ」

 

「小さなまとめ」

 

「生命はいつもONE 一つになろうとする しかし自分のアイデンティティを失わない」

 

「汎神論の心配はいらない」

 

「物質はいつもMANYである」

 

「物質はとらえどころがない」

 

物質ではなく生命こそ本物の存在」

 

265頁書かれた本の118頁までの見出しをピックアップしてきた。

このような感じでさらに話が進んでいくのが本書である。

本物の学識を持った方が書く本というのは、このように素晴らしいものかと感心させられるような希有の本である。

祝福二世だけではなくすべての思春期以降の若者に読んでほしい内容である。統一原理は真理の宗教的表現である。進化論という偶然神を拝む宗教は科学の名を語って若い人たちの心霊を揺さぶって引きずり降ろそうとしている。学校教育もNHKの番組もその影響下にある。

そこで科学的事実を踏まえた人間と世界の理解をしっかり身につけることが、子供たちがさらされている唯物的科学の世界観に毒されぬようにする道の一つであろう。

思えば我が国は唯物的科学観を持つブラウンの影響を大きく受けた東大を頂点とする学際と教育体系によって未だに牛耳られてきている。

私が若い日に、千葉に神を中心とした理想の大学建設のための敷地を見出し、買収の資金が蓄えられながら、指導者が別の使い道を決定し、日本の教育界に対しても、若い信徒に対しても責任を果たすことが出来なくなったことは、今も悔やまれてならない。

これは全体の摂理と部分の摂理の整合性を理解していないために起こってきた出来事であると考えられる。

当時頻繁に国際科学者会議があらゆる分野の境界を越えて開催され、ノーベル賞受賞者初めとする有名な科学者が集まってきていた。日本にも科学アカデミーの会員が多く存在していた。

共産主義学生運動が全国的に為されている中で、神を中心とする大学の建設は大変意義深いものであった。

ミッション系大学がその魂である神学部を外部に譲るような、魂を売る行為に、無念の心情を抱かれる神が臨在され我が国を福地化する活動拠点となるべき大学の建設が要請されていたにも拘わらずである。

 

さて、今後も信仰を磨いていくために、また統一原理の理解のために大変有益となるであろうと思われる本であれ映画であれ 時々ご報告するようにしたいと考えている。

クリスマスが近いので映画も良いかも知れない。

今日はただ見出しの紹介に終わっているが、それだけ内容が優れているので実物に触れて頂きたいと考えている。

山口実先生の素晴らしいお仕事に対して敬服しまた感謝して筆を置きたい。

 

ミネルバの森の哲学教室―生命の誕生と本質の巻