原理講論を読む

日常生活の中で 考える糸口を求めて

英語教育特区という出島の活かし方に ふと思う

私自身が何故英語が不出来なのかを念頭にして

英語特区という出島について、ふと思いを巡らせてみた。

政府は特区という切り口で一点突破したいと考えているようである。

我々日本人が、アジアの諸外国に比べ英語が苦手のであることが指摘されてきたが、政府は経済特区構想のように英語に関しても英語教育の特区を設けて突破したいと考えているようである。

これは有識者の提言に始まるものである。

そもそも、英語特区というのはアメリカなど24時間英語環境で生活している情況を、なんとか日本の社会の中につくりたいということであることは、誰の目に見ても明らかなことである。

「24時間英語環境」が肝であるわけであるが、本来は国民の全てに対して、とくに英会話力を伸ばすことを願っていることと考えられる。

ところが、その意図に反して特区(出島)というのは一部分に適用されるということになる。ハウステンボス内に英語の出島をつくるようなものである。

つまり国民一般の英会話力の底上げという観点からすれば、ざる状態である。

出島(特区)というせっかく出てきたモチーフを如何にして活かしていけばよいのであろうか?

英語環境というものを、

時間展開して考え出してきたのが、「24時間英語環境」である。

するとある学校を指定して英語特区としただけでは、本来の理想型には近づけない。

一部の利用可能な人々にしか恩恵が行き渡らない。

つまり、空間展開してでてくる日本全国に行き渡る出島の創設が文部科学大臣に期待されるところである。

今ある資産を有効に活用するとなれば、

大ざっぱに我々の生活を3つに区分してみると、

1,拘束された時間と空間としての出島:会社や学校

  主に政府の特区はこのようなところに視点があるようである。

2,選択自由な時間としての出島:プライベートな時間

  区や市に必ず存在する図書館やコミュニティーセンターの一部出島化

  外国人教師が住民と英語で交流し相互文化理解の場とする部屋(出島)の設定

  在日英語使用外国人と日本人が交換言語学習できる場としても解放

3,選択自由な空間と時間:バーチャルな学びの場

  インターネットを使った交換学習の支援組織

  このときスタート時に言葉が詰まり相手がいらだつことが多い。

  有料でフィリピン人やユーロの人と一定に時間英会話をする学習のサイトがある

  ビジネスであれば多少は我慢してくれるが、黙りではどうにもならない。   

  そのためには基本動詞や基本動詞+前置詞という動詞句を中心として

  あらゆる感情表現や思考表現を網羅する文例集とその丸暗記という基礎固めから

  参加させるような制度設計が求められる。

  つまり実学重視である。

  完璧を求めるのではなく、即使える実学としての英語である。

  よく言われることは読みの英語から話し書く英語への転換である。

  その際必要な文法とは、文法のための文法や作文のための作文というような従来       

   の形式ではなく、会話作文のための文法という形が望まれることであろう。

  さらに姉妹血縁都市との交流を言語交換学習及び相互の文化理解ということで実   

   りある次のステップに進むこともできよう。

  現在スマホタブレットにノートパソコンによる常時接続環境が整っている時代  

   である。これを活用し支援することが政府に求められる。

 

これらは英語教育特区の上位概念に「24時間英語環境」を予想して、

特区(出島)の在り方のパターンを模索してみた。

 

しかしながらこれらのことは形状的、すなわち外的環境に関することで、対象的課題にすぎない。我々はもう一つの性相的、内的な自発的動機に目を向けなければならないであろう。

こちらの方が主体的な課題でありもっと重要だからである。

極端な例かも知れないが

子供達が「ワンピース」や「ナルト」という漫画が好きであれば、それを英訳したり、英訳されたものから翻訳して日本語にしたり、また英語の台詞をそれぞれが登場人物になりきって会話したりするほうが、よっぽど関心があり学ぶ楽しさが増すかも知れない。

英語がよそよそしいものではなく身近なものとなり、自分に必要でメリットがあると自覚して始めて英語学習の自発的動機が形成される。

個人の個性と英語学習のマッチングの重要性がある。

これを支援するための仕掛けと仕組みの創出がいっそう期待されることであろう。

文部科学大臣には提案される仕組みに自ら身を置いて、自らに成果有りと国民に報告される覚悟を期待したい。

 

参考 (ただしTOEICは会話重視ではない。通訳を目指す人は英検一級が普通で、一級のほうがTOEICより難しいので、一級ならTOEICは満点だという。彼らにはこれらはゴールではなくスタートであるという。)

 

ある方の意見では、高校英語教師の平均がTOEIC620で、中学英語教師の平均がTOEIC560

 

文部科学省による平成18年の調査

 全国の公立中学校10,079校、高校3,779校を対象に、英語教師の語学力を調べた結果、英検準1級やTOEICで730点以上、TOEFLで550点以上を取得している英語教師の割合は、中学で全体22,862人の24.8%高校で全体17,627人の48.4%

 

 日本在住の英語圏外人の意見は「英語を話せない人に英語を話すことは教えられない。」が多い