原理講論を読む

日常生活の中で 考える糸口を求めて

応無所住而生其心 まさに住するところ無くしてその心を生ずべし

まさに住するところ無くしてその心を生ずべし

 

光が色を持つ暁や 日没の空を見て

人々は荘厳な気持ちになって感謝する

だが、光が透明な時に注がれる様子を誰も意識はしない

すべては照らし出され、しかも何事も無いかのように時は流れて行く

あたかも神の御業を地上にもたらす天使たちのように

見えざる働きと知られざる思いを注ぎながら

欅の枯れ木のように 執着をすっかり削ぎ落として

吹く風のなすままにわたしは立とう

神の御顔の前に顔をもたげて

 

日々眼前に現れる事象を見て

人々はあれやこれやと思い煩い分析する

だが、御言葉が天から注がれる様子を誰も無意識はしない

考える人になるのではなく

感が得る人となる

すべては照らし出され、しかも何も聞こえないかのように時は流れて行く

あたかも神の御業を地上で拝受する預言者たちのように

見えざる御父の心情と知られざる使命に覚醒されながら

千年杉の老木が今なお依存することをすっかり忘れているのに似て

飄々と笑うようにわたしは立とう

神の御顔にわが顔を重ねて

 

文字なく言葉は現れ

言葉なくその心は伝わり

月を映す水面のように

静動に変わらず御意を受けとって

思うことなく思い

こだわる心も頼る心もない自由を得て

ここに心あるもここになく

そこに心なくもそこにある

一点に心あれば満点に心あり

満点に心なければ一点にも心はない

 

まさに住すること無くしてその心を生ずる

神の臨在に感謝して