原理講論を読む

日常生活の中で 考える糸口を求めて

スティーブン・バノンの記事を振り返ろう

バノンNHKのインタビューでこう語っている。

今、策定されている戦略は、ここ数か月は「インド・太平洋」と呼ばれています。アメリカ、日本、オーストラリア、インドという海洋国家による海洋戦略です。
私はそれを「封じ込め」と呼びたくはありません

 

地政学には「リムランドを制するものはユーラシアを制し、ユーラシアを制するものが世界の運命を制する」と言う命題があります。

一路一帯戦略というのは、素人目に見て、どうもリムランドを押さえるというのが戦略目標のように見えます。

これを安倍総理は阻止しようとしているように見えます。

 

 

「リムランド 図解」の画像検索結果

 

上図の左側だけに注目してください。

右に関係があることは、できれば次回にいくらか触たいと思います。

 

ニコラス・スパイクマンはマハンシーパワー理論やマッキンダーランドパワー理論を踏まえてエアパワーにも注目しリムランド理論を提唱した。

マッキンダー「東欧を制するものはハートランドを制し、ハートランドを制するものは世界島を制し、世界島を制するものは世界を制する。」と述べたのに対し、一見広大で資源に恵まれているハートランドが、実はウラル以東では資源が未開発な状態で農業や居住に適していないために、人口が増えにくく工業や産業が発展しにくい点、反対にリムランドは温暖湿潤な気候で人口と産業を支える国々が集中している点にスパイクマンは着目し「リムランドを制するものはユーラシアを制し、ユーラシアを制するものは世界の運命を制する。」と主張した。

またスパイクマンは、旧世界(南北アメリカ大陸以外の大陸)の紛争はハートランドとリムランド間の紛争、リムランド内での紛争、リムランドとシーパワー間の紛争のようにリムランド一帯に集中している点と、地理的な位置から南北アメリカ大陸がユーラシア大陸だけでなく、アフリカ大陸やオーストラリア大陸に包囲されている点、に気づき旧世界の大西洋沿岸と太平洋沿岸の2つの地域からアメリカの安全を脅かすリムランドを支配する国家あるいはリムランド国家の同盟の出現は脅威だと考え、積極的にその試みを阻止する対外政策の必要性を主張した。

彼はリムランド理論を踏まえて米国の政策に以下の提案を行っている。

  1. ハートランドへの侵入ルートにあたるリムランドの主要な国々とアメリカが同盟を結ぶこと。この侵入ルートをふさぐ強力なリムランド国家(例、ヒトラードイツによるフランスノルウェー支配/ギリシャトルコとの同盟)をつくらせないこと。
  2. リムランド諸国間のアメリカ抜きの同盟をバラバラに切断するが、同時に、ハートランドの国にリムランドの国々を支配させないようにする。
  3. 現代(当時は第二次世界大戦中)の船舶技術において、アメリカをとりまく大西洋太平洋も「防波堤ではなく、逆に高速道路である」と認識しており、現代の兵器技術においていかなる国のパワーも地球上のいかなる場所であれ「地理的距離とは無関係に投入できる」と見抜いており、アメリカの孤立主義モンロー主義)の不毛と危険を警告し続けた。

また、この理論に基づけばこれらリムランドに該当する極東の国々つまり中国、朝鮮の間でそれぞれが分裂した状態であることが望ましいということになると指摘する研究者もいる。

ニコラス・スパイクマン - Wikipedia

 

 

さて、バノンは以下のように語ります。

もう1つは、中国企業に厳しい制裁を科したり世界の金融市場から中国を閉め出したり、世界の資本市場から中国の銀行を切り離したりするなど、アメリカは中国に対してかなりの影響力を依然として持っているのです。

 

地政学的にも影響力を持っていることがわかります。

地政学については以下の本がわかりやすいです。

 

マンガでわかる地政学 (池田書店のマンガでわかるシリーズ)

マンガでわかる地政学 (池田書店のマンガでわかるシリーズ)

 

 

49ページまではここで見れます。

マンガでわかる地政学(池田書店) - 武楽清, サイドランチ - Google ブックス

 

 

リムランドやチョークポイントについて出てきます。

本を求める際は参考にすればいいでしょう。

その後で詳しく知りたければ他にたくさんの地政学の本がありますから

気に入ったものを求めればよいかと思います。

以下は青い部分が陸地です。

格子の水色の部分は海です。

 

中国のシーレーン
(中国のシーレーンと主なチョークポイント)

シーレーン(SLOCs:Sea Lines of Communications)というのは海上交通路のことで、具体的には国家にとって通商上・戦略上、重要な価値を有し、有事に際して確保すべき航路のことを言います。そして、シーレーン防衛のためには制海権(より正確には海上優勢といった方が良いのかもしれませんが)の確保が必要となります。このあたりは、ロジスティクスとそれを保護するために制海権の重要性を説いたマハンの思想が反映された戦略体系と言えるかもしれません。

http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50384262.html

 

 

一言で言って、中国はリムランドに位置する国々、特に発展途上国に湾岸整備のための援助をするのですが、到底返すことができない借金をその国が抱えることとなります。

そこで、中国は中国の軍港として使わせろと持っていきます。

リムランドは海に接する国々であり、したがって自由貿易の前提となる航行の自由の要です。

これを中国が軍港によって自国の国益に適うように、アジアの国々に圧力をかけようというのです。

中国の覇権主義の時代の属国に戻そうとしています。

 

 さて、バノンに対するインタビューが長文なので、他の引用はこの辺にして、内容に移りましょう。

 

https://www3.nhk.or.jp/news/special/45th_president/articles/2017-1118-00.html

より引用

===

 

スティーブン・バノン氏。ホワイトハウスの前の首席戦略官としてトランプ政権で強い影響力を発揮し、一時は「大統領の最側近」とか「陰の大統領」とも言われました。 
バノン氏は政権内で、トランプ大統領の娘婿のクシュナー上級顧問や安全保障担当のマクマスター補佐官などと対立。ことし8月にバージニア州で白人至上主義などを掲げるグループとこれに抗議するグループが衝突した事件をめぐって、白人至上主義的な立場をとるバノン氏の更迭を求める声が高まり、バノン氏はトランプ大統領によって解任されました。 
しかし、アメリカのメディアはバノン氏について、「依然として、トランプ大統領と言葉を交わす関係であり、政権への影響力を保っている」などと伝えています。そのバノン氏がこのほど、中国の民族や人権問題について話し合う会議に参加することなどを目的に来日し、NHKの単独インタビューに応じました。バノン氏が語ったことは…。バノン氏とは


インタビュー全文
 
数日おきに大統領と話す
――― お時間をいただき、ありがとうございます。


バノン氏: どういたしまして。ここでお話できて光栄です。


――― ありがとうございます。トランプ大統領との関係についてお伺いします。今でもトランプ大統領とは毎日、あるいは頻繁に連絡を取っているのですか?


バノン氏: 毎日ではありませんが、互いに連絡は取っています。数日おきに話しています。彼がアジア歴訪に出発してからは話していません。しかしその前にも、私たちは数日おきに話していました。だから私はトランプ大統領とはとてもよい関係を持っています。トランプ大統領は、私がとても尊敬している人です。私は選挙戦でもホワイトハウスでも、トランプ大統領と緊密に仕事をするすばらしい機会に恵まれました。だから私はトランプ大統領をとても尊敬しており、できるだけ彼の近くにいるように努めています。


――― あなたが彼に与えた助言をいくつか教えていただけますか?


バノン氏: 私たちが話した内容については語りたくありません。しかし、トランプ大統領は通常、彼がその時、考えている問題について話します。政治的な問題や、彼がテレビで見たり新聞で読んだりしたことに関係した事がらです。あるいは、大統領執務室で彼が進めている議論についてです。
トランプ大統領が議論をする時、彼はいわゆる「ソクラテス式問答法」を使います。彼は100ページの報告書を読むような人ではありません。彼はその代わり、要約を読み、そして多くの質問をします。彼は常に人々に質問をします。彼はさまざまな補佐官、友人、昔からの知人に話をします。そして、彼らに多くの質問をします。トランプ大統領は絶えず人々に質問をしています。私はそのグループに入れてもらえたことをとても幸運だと考えています。


――― 典型的な議題や議論をいくつか教えていただけますか? そのいくつかを教えていただけますか?


バノン氏: 先ほど言ったように、非公開の会話の詳細は教えたくありません。しかし、トランプ大統領は、政界で起きていることやアメリカで起きていることをとてもよく把握しています。トランプ大統領は、常にそれについて質問をします。医療保険や税制など、自分が考えている政策があれば、彼は通常、何人かの現補佐官や元補佐官に質問をします。彼は自分のアイデアに対する人の反応を見るのです。それは政治や政策に関する事がらです。国際的な事がらについてトランプ大統領が考えていることがあれば、彼はそれらのアイデアも人にぶつけます。選挙戦中にトランプ大統領と仕事をしていたコーリー・ルワンダウスキーデイビッド・ボッシーなどの幹部です。あるいは彼のとても親しい友人のトム・バラックのような人です。トランプ大統領は、かなり頻繁にそうした人たちと話をしています。


安倍首相とは特別な絆
――― トランプ大統領は先日、日本を訪問しました。彼の訪日をどう評価しますか?


バノン氏: 私がホワイトハウスにいた時、ホワイトハウス安倍総理大臣との首脳会談が行われ、彼らはマー・ア・ラゴでゴルフをしました。トランプ大統領は、安倍氏とは個人的にとても親しいと思います。彼は安倍氏のことを同僚だと考えています。そして友人であるとも考えていると思います。だから、彼らはとてもよい関係を持っていました。彼らはアメリカでゴルフをした時にも、ゴルフコース上で絆を深めました。彼らは日本でも同じことをしたと思います。
彼は安倍氏のことをとても高く評価していると思います。思想家としても、行動力のある人としても、です。私は、マー・ア・ラゴの首脳会談では大統領に同行しました。覚えていらっしゃるでしょうが、その週末には朝鮮半島情勢が緊迫化しました。私たちはマー・ア・ラゴから土曜日の夜遅くに生放送をしました。それは日曜日の早朝だったと思います。多くのことが起こりました。トランプ大統領は彼のことをとても高く評価しています。


――― あなたの在職中、トランプ大統領安倍総理大臣のことをどう語っていましたか?


バノン氏: とても思いやりのある人で、国益を大事に考えている人で、とても思慮深い人です。トランプ大統領に対しても、とてもオープンで率直な人だったと思います。だからトランプ大統領は、安倍総理大臣とは親しい関係になりました。1つ目は、安倍氏は選挙から数日後に渡米しましたね? トランプタワーに来たのです。2つ目は、ワシントンに来て、マー・ア・ラゴに行きましたね? そして日本に来ました。だから、トランプ大統領は、世界のどの首脳よりも安倍総理大臣とは多く会っていると思います。彼らはとても特別な絆を持っていると思います。


――― アメリカのアジア政策において日本は何を意味しますか?


バノン氏: 日本はリンチピンの役割を果たしていると思います。日本は太平洋地域において、アメリカにとって最も古く、関係の深い同盟国だと言えます。今、策定されている戦略は、ここ数か月は「インド・太平洋」と呼ばれています。アメリカ、日本、オーストラリア、インドという海洋国家による海洋戦略です。
私はそれを「封じ込め」と呼びたくはありませんが、アジアの大国・中国を囲む輪のようなものです。日本はその中心です。そして日本は民主主義国家でもあります。日本は1930年代と1940年代に第二次世界大戦にかけてとても困難な時期も経験しました。だから日本は、中国で今、起きている多くのことを理解していると思います。トランプ大統領安倍総理大臣の個人的関係は、かなり親しいと思います。また、アメリカは、日本を太平洋における重要な同盟国とみなしていると思います。


透明性が高い2国間合意を
――― しかし選挙戦中は、トランプ大統領は特に貿易問題や均衡に関しては強硬派だったと思います。彼は態度を変えたのでしょうか?


バノン氏: それは変わっていないと思います。アメリカ第一主義とこれまでの違いは、コンセプトが違います。アメリカ第一主義の概念は、戦後の国際秩序に基づいた戦後の規則によるものです。西ヨーロッパからインド洋、ペルシャ湾マラッカ海峡、そして日本、北太平洋まで、アジア大陸を囲む大きな輪ができています。それがアメリカの概念であり、第二次世界大戦後のアメリカの同盟国によって作られています。
国際的な組織によって、強固な商業的関係のつながりや、貿易合意、資本市場がありますが、それらはアメリカの安全保障によって保証されています。それがアメリカの海軍であれ、陸軍であれ、空軍であれです。アメリカは、果たして独自の力でその責任を維持できるか、それとも同盟国がもっと貢献する必要があるのか、人々は今、疑問を持っていると思います。
トランプ大統領は、貿易と安全保障がつながっているということを提起していた。ほかのリーダーたちには、それが見えていないのです。なので、強硬派ではありません。選挙戦中にトランプ大統領が言っていたことと、今、言っていることは本質的には同じです。そして、不公平な扱いを受けているからと言って、韓国や日本を排除するわけではなく、互恵的な貿易関係を持つべきだと言っているだけです。トランプ大統領は、「互恵的」という言葉を繰り返し使っています。互恵的貿易関係があれば、均衡も生まれ、アメリカで製造業の雇用が減ったり生産性の低下を招いたりせず、経常赤字にもならないのです。
トランプ大統領が言っているアメリカ第一主義は、アメリカが孤立主義になることではありません。アメリカが直接的なパートナーシップを結ぶことです。だから、TPPのような多国間合意に反対の動きが出ているのだと思います。しかし大統領は、中国と2国間関係を持つべきだと訴え、選挙では支持を得て、大統領になったのだと思います。合理的で、均衡を生む互恵的な貿易協定を結べれば、とても強力な軍事同盟も結べます。そうすれば、双方は同盟関係の発展のための責務を理解しますし、赤字問題も解消されます。日本を排除することではありません。それは選挙戦中も、現在でも強硬な姿勢ではありません。「私たちはこれらのすべての関係を均衡化する必要がある」という理解が必要なのだと思います。


――― アメリカはもうTPPには復帰しないと思いますか?


バノン氏: ブライトバート・ニュースはTPPに反対だと思います。私がホワイトハウスにいた時にアメリカは撤退しました。元々のTPPの合意は、アメリカが参加したいと思うような内容ではなかったと思います。アメリカは、パリ協定やTPPのように、参加国がいくつもいて一部の参加国が決めた規則に縛られるような関係は結びたくないと考えています。
アメリカの人々は、内容の透明性を求めているのだと思います。その影響は、何年もあとにならないとわかりません。人々は、こうした協定による「予期せぬ結果」に懸念を抱いていると思います。人々が求めているのは、日本との2国間合意、韓国、ベトナムシンガポール、その他の国々や地域との2国間合意が、透明性の高いものかどうかです。それは、はるかに強力な2国間関係です。軍事的な活動であれ何であれ、それらの当事国が集まって何かをする際には、参加するかしないかはそれらの国次第です。
しかし私は、アメリカはTPPには参加しないと考えています。正直に言って、すべての条件は再構築されるかもしれません。それがどうなるかは誰にも分かりません。私は、それは起きるとは思っていません。私が予測するのは、日本や韓国との強力な2国間合意に、はるかに大きな焦点が置かれることです。


中国は北朝鮮への石油禁輸を
――― なるほど。アジアに関しては、トランプ大統領北朝鮮への圧力を高めることの重要性を何度も強調しています。北朝鮮に対しては軍事的な選択肢、軍事的な行動は現実的だと思いますか?


バノン氏: 「現実的」になることと、「選択肢」の違いは何でしょうか。私は以前、北朝鮮に対する軍事的な選択肢はかなり限られていると発言しました。私はもう政権の人間ではありませんから、その発言は一市民としてのものです。
私は政権発足当初から、北朝鮮情勢はアメリカから中国に引き渡されるべきだと考えています。つまり、両国間で直接交渉が行われるべきで、私は当初からそう言っていました。私は、中国が絶対的な支配を掌握している存在だと考えています。そして北朝鮮は中国の従属国家だと思います。私はそれについては、かたくなな考えを持っています。何らかの交渉や北朝鮮をめぐる動きがあると、人々は本来目を向けるべきものから注意をそらしてしまいます。アメリカは中国に圧力をかけ続け、北朝鮮に事態を沈静化させるようにすべきです。
中国は朝鮮半島の非核化を望んでいることを改めて強調していて、それはよいことだと思います。私は、中国にはもっとできることがあると考えています。中国は、北朝鮮への完全な石油出荷の禁止に合意していません。事態に何らかの影響を与えたければ、そのような制裁が必要です。アメリカが中国に圧力をかけ続ければ、とてもよい結果が生まれると思います。それは日本の人々にとっても非常によいことだと思います。


――― あなたの在職中に、あなたや閣僚は軍事的選択肢について現実的に議論したのですか?


バノン氏: それは機密性の高い議論です。日本の人たちに理解してほしいのは、アメリカの国家安全保障会議国防省国務省、情報機関は、多くの分析を行い、あらゆる選択肢を検討しているということです。それはアメリカで最も賢い人々の集まりで、彼らは毎日この問題について検討しています。日本やアメリカの敵国は、世界で最も知的でたくましい人たちが、この問題を何度も何度も熟慮していることを理解すべきです。


――― 朝鮮半島から在韓米軍を撤退させることについては議論しましたか?


バノン氏: 先ほど言ったように、それはとても機密性の高い議論です。私は、それが可能性のある選択肢として浮上したことは一度も聞いたことがありませんが、可能性はあると言っている人たちもいます。私は、軍隊の責務、軍隊の所在地、アメリカの責務について議論する前に、もっと直接的に中国と対話をするべきだと思います。中国は、北朝鮮に対してもっと多くの制裁を科せると私は思います。北朝鮮の経済に関して、また、北朝鮮の軍事国としての能力に関して、中国は北朝鮮に対してもっと多くのことができます。それが、アメリカと中国の間でできる直接的な会話、直接的な交渉だと思います。


――― アメリカのメディアによると、あなたは8月に、北朝鮮に関しては、軍事的選択肢はありえないと言われたそうですね?


バノン氏: はい、確かに言いました。私たちが軍事的選択肢と言う場合、北朝鮮における直接的な軍事的選択肢はかなり限られていました。中国は、北朝鮮に対して極めて大きな影響力を持っているので、選択肢はアメリカと中国の間のものであるという意味でした。北朝鮮は中国の従属国家です北朝鮮に石油を供給しているのは中国であり、北朝鮮の経済活動の源となるあらゆるものを供給しているのは中国なのです。中国は北朝鮮の非核化を確実に実現できるはずなので、アメリカは中国に圧力をかけ続けるべきです。


――― あなたの対中戦略を詳しく説明していただけますか? トランプ大統領北朝鮮戦略の中で、中国はどのように位置付けられているのですか? アメリカは中国からどれぐらいの協力を得られると思いますか?


バノン氏: アメリカは中国に対して多くの協力を求めることができると思います。1つは、北朝鮮の非核化を確実に実現することが中国の国益になることです。もう1つは、中国企業に厳しい制裁を科したり世界の金融市場から中国を閉め出したり、世界の資本市場から中国の銀行を切り離したりするなど、アメリカは中国に対してかなりの影響力を依然として持っているのです。トランプ大統領は習国家主席ととても強い良好な関係を持っていると思います。彼と習国家主席は、やがてこの問題の解決策を見いだせるでしょう。


――― つまり、あなたは中国の協力はとても前向きなものだと考えており、楽観的なのですか?


バノン氏: トランプ大統領に聞けば、中国訪問はとてもよいものだったと答えるでしょう。トランプ大統領は、確かな進歩を遂げていると感じているのだと思います。長期的に見守るべきだと思いますが、確かな進歩を遂げていると信じています。


――― 今回のトランプ大統領の訪中をどう評価していますか?


バノン氏: 彼は習国家主席とはとても強い関係を持っています。彼らは明らかに互いに相性がいい。きょう、今しがた私がスピーチの中で言ったように、トランプ大統領は自分が向き合う相手と密接な関係を築くことを交渉上の戦略にしている人です。政権内部の人々の見解としては、彼らはアジア歴訪全体が極めてうまくいったと捉えているはずです。
彼らは中国訪問がとてもうまくいったと感じていると私は思います。 彼らは、中国企業とアメリカ企業や、中国市場とアメリカ企業の間で、2000億ドル以上の規模の合意を発表しました。発表されたすべての内容を見れば、彼は北朝鮮に関する議論において確かな進捗を遂げたと感じたことと思います。だから、総合的に見れば今回の歴訪、特に中国の部分はかなりうまくいったと思います。


南シナ海への関与示す一歩
――― しかし、南シナ海での中国の行動はとても問題があります。その点についてはどう思いますか?


バノン氏トランプ大統領は、その問題の仲裁を申し出ました。トランプ大統領は「私たちは海洋国家間の仲裁で積極的な役割を果たします」と言いました。南シナ海は人々の大きな関心事になってきたと思います。私が太平洋艦隊の若い海軍将校だった時、私たちはよく南シナ海を航行しました。その当時はもっと航行の自由があったと思います。現在のような島が造成される前のことです。
中国は、こうした特定の海域で領有権のようなものを行使しようとしてきました。仲裁裁判所は異なる判決を下していますが。仲裁者として積極的に行動するというトランプ大統領の発言は、この地域でのアメリカの関与を示すうえで大きな一歩だと思います。


――― 仲裁者ですか? アメリカが仲裁者になれば、南シナ海での中国の侵略的な行為を止められるのでしょうか?


バノン氏: あなたは中国の侵略的な行為と言いますが、中国は“それは違う”と言うでしょう。彼らは、特定の権利を主張しており、他の国々も特定の権利を主張しています。アメリカでは、中国は南シナ海での権利を本当は有していないと考えられています。トランプ大統領の「仲裁者になるよう努める」という発言は、この問題に飛び込んで参加者の1人になってみて問題解決に努めてみよう、ということでしょう。この地域の国々がそうした彼を受け入れるかどうかは見守る必要があると思います。


――― 北朝鮮南シナ海を含めて、日本や、日本政府にはどのような役割を期待しますか?


バノン氏: この点においては、日本は重要な関係国だと思います。日本はアジアの中心的な国の1つです。日本は第二次世界大戦以後、アメリカの同盟国となっています。そして、太平洋でのアメリカの戦略の確かな基幹となっています。それは常に、経済的に強く堅固な日本、そして軍事的には自衛隊を前提としてきました。だから、日本はその点で中心的な役割を果たしていると思います。だからこそトランプ大統領は、安倍氏に最初にアメリカに来てもらったのだと思います。だからこそ彼にマー・ア・ラゴに来てもらったのだと思います。
彼らはとても強い関係を持っています。両国はビジネスにおける取引、そして2人のすばらしい友情により結び付いていると思います。日本はアメリカの太平洋戦略の中心的存在とみなされていると思います。日本は70年間、アメリカの太平洋戦略の中心的存在でした。その存在感は今後強くなる一方でしょう。


――― トランプ大統領は、日本に対して高度な兵器を購入するよう求めました。大統領は日本に対してどのような役割を期待しているのだと思いますか?


バノン氏: それを考えているのが大統領なのかどうかは私には分かりません。安倍総理大臣らが語っているように、日本は憲法改正を検討しており、自衛隊を持つことをやめて再び軍事大国になることを検討しているかもしれません。トランプ大統領が言っているのは、太平洋における日本の役割や、その戦略における日本の中心的な役割からすれば、日本は軍事力を徐々に強化するだろう、ということでしょう。
そして私たちはとても緊密に協力しているため、その一部がアメリカの兵器システムになることは当然でしょう。それがトランプ大統領の発言の意味だと思います。つまり、それは日本が軍事力を取り戻すための自然な進化です。特に北朝鮮や西太平洋の他の地域で起きていることを見れば、今はかなり危険な時期です。日本が今、再軍備を考え始めることは理にかなっています。


共和党主流派はお粗末
――― アメリカの国内政治についてお聞きしてもよろしいですか?


バノン氏: もちろんです。


――― あなたは共和党に対して宣戦布告を行いました。詳しく説明していただけますか?


バノン氏共和党の主流派に対してです。主流派はトランプ大統領をあまり助けていないと思います。まず1つ目に、彼らはトランプ大統領を支えてこなかったと思います。彼らはオバマケアを廃止し、新しいものに置き換える取り組みにおいて大失敗を犯したと思います。トランプ氏の選挙戦に絡んだロシア疑惑を調査する委員会の管理においても、彼らの仕事ぶりはとてもお粗末でした。それらの委員会は暴走していると思います。
きょう、議会議事堂では上院で委員会が開かれ、核兵器を使う大統領の能力について議論されました。ミッチ・マコーネル氏に代表されるような共和党主流派は、大統領の計画を前進させ、支持するうえで、よい仕事をしていないと思います。
私はそうした動きに断固反対しています。それに、何年もの間、草の根組織の間でこの戦いが続いてきました。私はポピュリストです。そうでしょう? 私はトランプ氏の選挙戦に加わる前は、新しいサイトを運営していました。それは、たくさんのポピュリスト的ニュースを掲載し、労働者階級や中産階級をターゲット層にするニュースサイトです。
彼らは裕福ではなく、共和党の巨額の献金者ではありません。だから当然、草の根組織、小市民、トランプ大統領が「忘れられた男」と呼ぶ人々とお偉方との間には常に緊張関係があったのです。だから私は、それがアメリカ上院における草の根組織とミッチ・マコーネル氏の間の戦いに飛び火しているのだと思います。


自分の政策にこだわるべき
――― トランプ大統領中間選挙での勝利を目指したあなたの戦略を教えてください。彼は中間選挙に勝てると思いますか?


バノン氏私は何度も何度もこのことを大統領に言ってきました。彼が自分の経済成長計画にこだわり続け、オバマケアを廃止し、壁を建て、不法移民に対処すれば、彼がその計画にこだわり続ければ…。私はこれを公の場で何度も言っていますが、彼は上院で3議席から5議席上積みできるでしょう。彼は下院も守れると思います。だから2018年の選挙はとてもよい結果になるでしょう。
私たちは順調にそれに向かっていると思います。だから、私たちをその軌道から外そうというものは何でも、よいことではありません。なぜなら、トランプ大統領は多くの前向きな政策に取り組んできたからです。人々は、アメリカ経済が今3%以上の成長を遂げていることを理解すべきです。そして私たちはその成長を加速化させるための減税すらまだしていません。
すでに行われているのは彼の国家主義的経済政策だけです。ビジネスの投資が増えています。ビジネスの投資は10%増えたと思います。株式市場によって、資産が5兆ドル増えたと思います。ヒスパニック系の人々の失業率は11年ぶりの低水準です。黒人の失業率は17年ぶりの低水準です。全体的な失業率も19年ぶりの低水準です。そして賃金は建築と農業部門でついに上がり始めています。
アメリカ経済が3%以上の成長を取り戻しているのです。これは、特に減税なしで実現できるなどとは誰も思っていなかったことです。減税というのは今計画されている大規模な減税のことです。2018年は4%の成長になるかもしれません。しかし、トランプ大統領の功績が認められていません。彼が実施しているこれらの計画やプログラムは、 成果を見せ始めています。しかし、彼のその功績が全く認められていません。
彼の政権の1年目を見ると、彼は2つのことを約束していました。彼は就任日に、地球から過激なイスラム聖戦やテロを根絶するために文明世界を結束させると言いました。それはとても大それた約束です。しかし、最初の9~10か月を見ると、彼はIS=イスラミック・ステートの物理的なカリフ国家を打破しました。あなたは記者ですから、それを覚えているはずです。
2014年に、ISはイラクからシリアにかけて中東で800万人を支配下に置いていました。ISには税収がありました。油田も持っていました。小麦畑も持っていました。西ヨーロッパやアメリカで積極的に採用活動をしていました。現在、その物理的なカリフ国家は殲滅されました。トランプ大統領の指揮により、マティス将軍の下で、私たちはモスルやラッカやその他の都市でISのカリフ国家を物理的に打破しました。
それに加えて、このすばらしい経済成長を実現し、連邦判事を就任させ、アメリカにおける規制緩和を進めています。彼はものすごく大きな勝利を収めています。しかし、主流メディアは彼の功績をあまり認めません。


――― 選挙から1年がたちましたが、現在のトランプ政権はとてもうまくやっていると感じていますか?


バノン氏: はい、とてもうまくやっていると思います。例はたくさんありますが、その1つを挙げましょう。彼はことしの春にリヤドでサミットに参加しました。5月だったと思います。44か45のアラブ諸国イスラム教諸国が参加したと思います。その中で彼は、結束して3つのことをすべきだと語りました。
1つは、世界中で過激なイスラム教徒によるテロへの資金供給を遮断することでした。テロがこれ以上、西ヨーロッパ、アメリカ、日本に輸出されないようにするためです。
2つ目に、彼はイスラム教諸国を助けることについて語りました。それをするのは彼らのためではありません。イスラム教諸国を助けることは、何年も前にカイロ大学でシシ将軍が語った約束を実現することです。それは、イスラム教は内部から自身を改革する必要がある、ということでした。そうでしょう?イスラムは近代化しなければなりません。しかし、それはイスラム教徒が協力してこそできることです。トランプ大統領は、「私たちはそのためにあなたたちを支え、あなたたちを助ける」と言いました。
3つ目は、拡大主義国家のイランを見て、「私たちはイランを止めるために軍事的に協力を始めるべきだ」と言ったことです。
それからの最初の2か月ですでに、カタールサウジアラビアで動きが見られました。アラブ首長国連邦サウジアラビア王国がエジプトとともに、最も過激な聖戦組織の1つであるムスリム同胞団に資金提供する人々に資金提供を打ち切らせるべく直接的な行動を取っているのです。
彼はそのような大きな勝利を毎日勝ち取っていると思います。11月8日は、私たちが勝利した記念日でした。あるいは11月9日です。彼はとても短期間にすごい量の成果を挙げたと思います。
そして私は日本の人々に言いたいことがあります。オバマ政権はアジアへのリバランス政策を取っていましたが、それはあまり進みませんでした。トランプ大統領安倍総理大臣と直接対話を何度行ったか見てください。2人の指導者の関係を見てください。
ところで、貿易にまつわる合意を結ぶまでには長い道のりがあります。だからわれわれは、まず軍事的な連携を確かなものにし、同盟国の日本が適切に再軍備を図れるよう助けるところから始めているのです。しかし、この9か月の2国間のやりとりを見れば、おそらくオバマ大統領の下での8年間以上のものでしょう。
だから、メディアはトランプ大統領の功績を認めていないと私は思います。しかし彼の行動や、特に太平洋における日本との関係、日本との毎日のやりとりやパートナーとしての連携から、私は功績を読み取ることができます。


最善策は中国との直接交渉
――― 改めてお聞きしますが、北朝鮮については、トランプ大統領はすべての選択肢が検討されていると言いましたね?


バノン氏: はい。
――― 北朝鮮に対する軍事的選択肢は誰が主張したのですか?


バノン氏: 彼がすべての選択肢が検討されていると言う時には、最高司令官として彼がすべての選択肢に目を向けたいということです。それは賢明だと思います。だからこそ彼の下には国防総省があり、国家安全保障会議があり、CIAがあるのです。そして、韓国、日本やその他の国などの同盟国とも連携しています。すべての選択肢を残しておきたいという彼の考えは賢明だと思います。
私が考える最善の選択肢は中国との直接交渉です。なぜなら、中国は北朝鮮への扉を開く鍵を握っていると私は思うからです。私は当初から、北朝鮮は中国の従属国家だと言ってきました。しかし、彼は最高司令官として、さまざまな選択肢を持っておきたいと考えているのだと思います。そして忘れないでください、交渉を検討する場合や特定の行動を検討する場合は、さまざまな選択肢から始めて、それらすべてを徹底的に検討すべきなのです。
トランプ大統領に対するメディアの誤解の1つは、彼が就任したら、すぐに引き金を引いたり爆撃を行ったりするだろう、というものでした。あらゆる選択肢をはかりにかけ、評価するうえで、彼ほど思慮深いアメリカの大統領はいませんでした。シリアやアフガニスタンを例に取りましょう。彼はそれぞれの長所と短所を徹底的に検討しました。アフガニスタンに関しては決定に至るまでに半年かかったと思います。
それは、彼が質問をし続けていたからです。彼はデータを要求し続けました。より多くの選択肢を検討することを望み続けました。ようやく彼が1つを選ぶまで、です。彼は、さまざまな選択肢に目を向け、それらを熟慮し、将軍や補佐官とともに一連の行動を選ぶうえで、これまでで群を抜いて最も思慮深い大統領だと思います。アメリカの同盟国である日本の人々は、そのことを正しく評価すべきだと思います。
トランプ大統領は慌てて結論を出し、行動するような人ではありません。彼は、しっかり選択肢をはかりにかけ、評価する人です。彼がさまざまな選択肢があると言う時には、彼がその1つ1つに目を向け、熟慮しているということを忘れてはなりません。だからこそ私は、安倍総理大臣との関係がとても重要だと思うのです。なぜなら、彼らは頻繁にコミュニケーションを取って、話し合っているからです。彼らが話し合う時には、それらの選択肢について話し合っているはずです。


――― トランプ大統領日本海に3隻の空母を配備しました。それはその存在を見せつけるためですか、それともただのパフォーマンスですか?


バノン氏: それはさまざまな選択肢とみなすべきだと思います。私は太平洋艦隊にいました。私は空母打撃群と行動をともにすることが多かったです。空母打撃群が派遣されると、それは人々の注目を集めます。まず1つ目に、そうした演習を行うことにより、協力の仕方を学ぶことができます。さまざまな海軍の部隊は、一体となって連携する方法を知っています。
だから私は、こうした演習は賢明だと思います。それは、「ここは重要な地域であり、われわれはここに資源やアセット(資産)を投入して日本や韓国などの友好国や同盟国を助ける覚悟がある」というメッセージを発することにもなります。だからこれもとても賢明な措置です。それらは動き回るチェスの駒のようなものです。第7艦隊からアセットを投入することも、彼が常に熟慮しているさまざまな選択肢を示しています。彼は何が最高の組み合わせなのかを常に考えています。
だから、日本の人々はトランプ大統領が最高司令官であるという事実に大いに安心すべきだと思います。彼は西太平洋を重視してきました。日本との同盟、私たちの相互理解、私たちの親しい友情関係を重視してきました。人々はそのことに安心すべきだと思います。そして、さまざまな演習のためにいくつもの空母打撃群を展開するほど彼がこの地域を重視していることに、人々は安心すべきだと思います。この点において彼が行ってきたことはすべて、日米関係の強化のためです。


――― しかし、あなたは中国と協力することが最善であるという意見なのですね?


バノン氏: そうです。中国との協力です。しかし忘れないでください。中国との協力を前面に押し出すことができるのは、3つの空母打撃群を配備する能力を有しているという事実なのです。その火力の大きさを人々は忘れるべきではありません。それは多くの注目を集めることができます。
私は何年もアメリカ海軍にいられたことをとても誇りに思いました。私は太平洋艦隊にいました。第7艦隊にいました。日本には何度も来ました。若い海軍将校だった時に、私は乗組員たちとともに日本に来ました。ある時、ここ日本で休暇が取れた時に、私たちの一部は富士山に登りました。私たちはよく横須賀に行きました。横須賀の海軍基地に何度も行きました。私たちは日本海にもよく行きました。私たちは海上自衛隊と演習を行いました。韓国海軍や日本の海上自衛隊と何度も何度も演習を行いました。
アメリカ海軍は常にこうした演習を行っています。空母打撃群のようなアセット(資産)があれば、中国の指導者との交渉に少し重みが出ると思います。なぜなら、投入できるそれらのアセットがあるからです。


北朝鮮問題 行き詰まっていない
――― しかし、北朝鮮問題は行き詰まっているように見えますが…。


バノン氏: それはあなたの意見です。私は全く行き詰まっているとは思いません。なぜあなたが行き詰まりという言葉を使うのか私には分かりません。(北朝鮮問題は)動いています。進行中なのです。北朝鮮のような問題は、一夜にして解決できるものではありません。私たちがここに至るまでに30年、40年かかったのです。人々は、「彼らは核プログラムを持っていなかった。彼らは核プログラムを持っていなかった。彼らは核プログラムを持っていなかった」と言います。
今、私たちは彼らが核プログラムを持っていることを知っています。つまり、ここに至るまでに何十年もかかったのです。誰かが現れて魔法の杖を振ってくれるわけではありません。そしてこの問題を一夜にして解決することもできません。これは進行中なのです。トランプ大統領はそのプロセスに携わっていると思います。彼は個人的にそのプロセスに関わっています。
ほら、これこそが私が“反対派”と呼ぶ人々です。NHKは十分に、その“反対派”としての役割を果たしています。私はこれからNHKのことを、まさにニューヨーク・タイムズのようなメディアだと呼びましょう。あなたたちは日本のCNNに違いない、そうでしょう? あなたたちは「行き詰まり」といった挑発的な言葉を使います。「それは行き詰まりに違いない」と。それは行き詰まりではありません。全く行き詰まりではありません。実際には進行中です。トランプ大統領はそのプロセスを進めています。だからこそ彼は、さまざまな選択肢があると言っているのです。だからこそ彼は、ここに空母打撃群を派遣しているのです。それはすべて、戦略的なチェスの試合の一部です。その中で、日本は私たちを助けてくれるすばらしい同盟国です。しかし、安倍総理大臣やトランプ大統領のようなとても賢い人々がいます。彼らはそのようにして、これらの問題の解決に取り組んでいます。


――― つまり、それは…。


バノン氏: あなたが北朝鮮に関する質問を私に尋ね続けることこそが“行き詰まり”なのです。これこそが行き詰まりです。さあ来い、あと何問か質問して来なさい。


――― しかし、トランプ大統領は時間がなくなりつつあると言っていますね? 彼はこの状況をどのように打破できますか?


バノン氏: 先ほど言ったように、彼は中国の指導部と対話していると思います。私はそう思います。それは彼の中国訪問中に見られました。トランプ大統領は、朝鮮問題の重要性を前面に押し出すために多くのことを行ってきたと思います。それは、その地域の大国が注力しなければならない問題です。韓国、日本、アメリカ、そして中国です。ロシアもそうです。
アメリカが国連安全保障理事会にこの問題を持ち込んだことは誰の目にも明らかです。どの国も棄権することなく、15対0で制裁が2回採択されたと思います。中国は棄権しませんでした。ロシアも棄権しませんでした。これは、アメリカがどれほど真剣に取り組んでいるかを示しています。これは、彼らがそれをどれほど重要だと考えているか、そしてニッキー・ヘイリー大使がどれほどすばらしい仕事をしたかを示しています。
だから、人々は関与していると私は思います。トランプ大統領は時々、人々にその緊急性を理解させるためにツイートをしたり発言したりしていると思います。あなたたちはトランプ大統領に関して1つ気づいたことがあるはずです。私は選挙戦で彼と一緒に仕事をしていた時にそれに気づきました。彼は常に切迫感を持っている人です。彼は、バン、バン、バン、と物事をやり遂げたいのです。だから私は、これが彼にとって優先順位が高いことが分かります。だから彼はそれを前面に押し出しているのです。朝鮮に関する質問をもう1ついただけますか?


――― しかしあなたは、中国は覇権国家になろうとしている、とも言われましたね。


バノン氏: はい、覇権です。


――― アジアの覇権国家です。


バノン氏: はい。


――― 世界の、です。中国にはどう対応しますか? 一方では北朝鮮問題で協力し、一方では封じ込めですか。


バノン氏: その点ではトランプ大統領と私の意見は異なっていると思います。私は中国に関してはもっとタカ派的です。私は長年そうでした。トランプ大統領は貿易合意にとても積極的です。これまでの政権、特にクリントン政権ブッシュ政権は、彼らが中国に最恵国待遇を与えた時に中国が何をするかについて希望的観測を持っていました。彼らは中国をWTO世界貿易機関に招き入れました。
私たちは、自分たちの市場が完全に開放されるようにするために、特定の規則に従っていました。しかし、彼らはその市場をかなり閉じたままです。閉ざされた市場の人々が開かれた市場に完全にアクセスできれば、常に大きな戦略的優位性を手にします。
私は習国家主席の言葉を信じます。私はそれを何度も読みました。私は、彼が第19回共産党大会で行った3時間半のスピーチを見ました。彼はこれ以上ないほど率直でした。それはあまり微妙な言い回しではありませんでした。彼は、なぜ2035年ごろまでに彼らが世界最大の経済大国になろうとしているのかについてとても説得力のある主張を示しました。そして、2050年ごろまでには世界の支配的国家になる、ということだと思います。
実際、彼らは「今は新しい時代だ。2050年には中国の覇権の時代が始まる」と言っています。だから私は彼の言葉を信じます。中国が世界の多くの地域で今していることは、覇権国家になろうとする試みだと思います。


――― さらに質問をしてもよろしいですか?


バノン氏: 朝鮮に関することならいいですよ。いや、何でも好きなことを聞いていいですよ。何なりと。


――― 中国に関する質問です。


バノン氏: 分かりました。いいですね。


――― 一部のメディアは、あなたが9月に北京で中国共産党王岐山氏と話をしたと報道されています。そのニュースは事実ですか、それともフェイク・ニュースですか?


バノン氏: いいえ、そのニュースは本当です。私は中国の大手金融機関であるCITICの主催で、彼らの香港の子会社であるCLSAを介して講演をしました。私は個人的には中国とアメリカの間で大きな経済戦争が起きていると考えており、それについて話しました。王岐山氏は仲介人を通して私を招きました。そこで私は、さまざまな話題について数時間にわたって彼と話しました。


――― 北朝鮮のプログラムに関しての会話が…。


バノン氏: あのような私的な会話のために誰かが自分を招いた時は、私はそれを非公開のままにしておきたいのです。しかし、全体的な会話は、アメリカにおけるポピュリズムや経済的ナショナリズムの台頭に関するものだったとは言えるでしょう。私のスピーチの主題がポピュリズムと経済的ナショナリズムの台頭、そしてそれがアジアにどう影響するか、でした。私たちの会話も基本的にそれらに関するものでした。

 

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 武器を持つことをアメリカによって禁じられていた日本も、国内や海外の事情に応じて、

警察予備隊や安保体そして自衛隊を持つことがアメリカによって促されてきた。

今日バノンが日本が米国に頼るばかりではなく、パートナーとして再軍備をして

アジアにおける役割を果たすことに期待しているものと思われる。

 

それは日本が軍事力を取り戻すための自然な進化です。

特に北朝鮮や西太平洋の他の地域で起きていることを見れば、

今はかなり危険な時期です。日本が今、再軍備を考え始めることは理にかなっています。

 


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