www.youtube.com 2017/04/06 に公開 BBCによるトランプ大統領のシリア空爆に関する6日の記者会見
トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」が、いっそうシリアへの軍事行動に駆り立てる によってポイントを項目で整理すれば
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<トランプ氏の立場>
1,
トランプ氏は2013年、化学兵器を使用したアサド政権への軍事行動を検討していた当時のオバマ政権を批判し、「シリアの内戦に介入するのはまずい考えだ」と語っていた。オバマ前大統領は1カ所だけでなく複数の標的への攻撃を示唆していたが、議会で共和、民主両党からの反対を受け、取り止めた。
2,
大統領選でトランプ氏は、シリアに介入しない方針を一貫して主張し、「アサドは良くないが、ISはもっと悪い」と繰り返し主張していた。さらにトランプ氏は、「IS打倒のためにロシアやアサド政権との連携を模索する」とも語っていた。
3,
軍事行動の直前、アメリカはアサド氏退陣は優先事項ではないというメッセージを発信していた。トルコを訪問したレックス・ティラーソン国務長官は3月30日、アサド大統領の運命は「シリア国民が決めることになる」と述べた。
<実際行動>
大統領選では、「当選したら軍事行動を減らしていく」と公約していたトランプ氏だが、4月6日夜にシリアに59発の巡航ミサイルを発射し、かえって軍事行動を激化させることになった。
1月20日の大統領就任以来、トランプ大統領はそれまでアメリカの影響力がほとんどなかったイエメン、イラク、シリアへの軍事介入を強めてきた。イエメンでは特殊部隊「ネイビー・シールズ」が襲撃に失敗し、隊員1人と民間人数十人が死亡しても、トランプ氏はイエメンへの空爆を拡大した。イラクとシリアに派遣される米軍兵士の数は増えている。
これらはすべてテロとの戦いの名目で行われてきたが、それも6日の夜に変化を迎えた。4日にシリア・イドリブ県でシリア政府軍が民間人に対して化学兵器を使用し、少なくとも87人が死亡したという情報を受け、アメリカ政府は海軍の駆逐艦から59発の巡航ミサイルをシリアの空軍基地に向けて発射した。
H・R・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)は6日、「空軍基地に狙いを定めたのは、シリアの殺戮行動の発端となったのがその施設だと判明したからだ」と述べた。
<影響>
1,
今回の件で、シリアでIS打倒を目標に活動しているアメリカ軍は、バッシャール・アサド大統領率いるシリア政府軍という新たな脅威に直面する可能性がある。シリア政府はロシアからの支援を受けている。
2,
いずれにせよ、シリアでの意図しない軍事衝突を防ぐために築かれていたアメリカとロシアの脆弱な連携は崩壊した。ロシア政府は、オバマ政権下で設置され、ロシア軍とアメリカ軍の戦場司令官同士の通信を可能にしていた「衝突回避通信網」の使用停止を宣言した。
3,
ドナルド・トランプ大統領がシリアをミサイル攻撃したことで、シリア国内でIS(「イスラム国」)と戦っているアメリカ軍の兵士たちは、今以上に命が危険に晒されるかもしれない。今後シリアに駐留しているアメリカ軍は、シリア政府軍からも標的にされる可能性がある。
<決行の動機は?>
しかし、イドリブ県で死亡した子供たちの映像をテレビで目にしたトランプ大統領は(彼が世界情勢についての情報の多くをケーブルテレビのニュースから得ているのは周知の事実だ)考えを変えた。トランプ氏は5日、民間人の殺害は「人間性への侮辱」であり、「アサド政権による極悪非道な振る舞いを許すわけにはいかない」と述べた。
<今後のアメリカの動き>
現在シリアに駐留しているアメリカ軍兵士の正確な人数は不明だ。国防総省は3月、ISの拠点ラッカを攻撃する反体制勢力を支援する約1000人の兵士に加え、さらに1000人を派遣する計画を発表した。アメリカ軍兵士の大半は、アサド政府軍の影響力がそれほど及ばないシリア北西部に駐留している。
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トランプ大統領の決行は、アサド政権を打倒する意図はないが、「アサド政権による極悪非道な振る舞いを許すわけにはいかない」というトランプ大統領の言葉にあるように、少なくとも警告の意味はある。
米軍、シリアへミサイル攻撃 「サリン」使った「化学攻撃」に反応 - BBCニュース
によれば
<シリアやロシアとの関係>
国防総省は、アサド政権とシリア軍を支援するロシア政府には、ミサイル攻撃を事前に通知したと説明している。
ロシア政府は米国による攻撃を非難。ドミートリ―・ペスコフ大統領報道官は、「主権国家への侵略行為」と呼んだ。
アサド政権と対立するシリア国民連合は、米政府の攻撃を歓迎。広報担当のアフマド・ラマダン氏はAFP通信に対し、「空爆が続くことを願っている(中略)今回の攻撃は始まりに過ぎないことを期待している」と述べた。
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www.youtube.com 2017/04/07 に公開されたBBCによる レックス・ティラーソンの6日の発言
<コメント>
さて、大筋でこのような情勢のようである。
トランプ大統領の発言を聞いていると、私は解怨された子どもたちや愛国軍人の儀式と
どこか関係があるような気がする。
確かに、今回の行動には賛否両論があるかもしれないが、
トランプ大統領の意図としては、罪のない市民や特に子どもたちに対して、国際条約違反の化学兵器である有毒な神経ガスを使ったことに対して、その行動に関連するシリアの施設を限定的にかなり激しく攻撃した模様である。
直接的な政権転覆の意図は今のところないが、今後のアサド政権の振る舞いによっては、微妙なところである。
アサドがどう動くか注目されるところである。
情報が少ない中で、心配される向きもあるが、
アサドがこの警告を上手く受け止めれば、事態は収拾に向かう事ができると考えている。
むしろ、アメリカのマスコミや議会のほうが心配だが、アメリカは天一国の中心地であるにも関わらず、活動が韓国や日本に比べて弱い面がある。
今後は基盤の違いはあっても、何らかの積極的支援活動を増強して、ミクロがマクロを動かす趨勢に貢献してほしいものである。
生物化学兵器を北朝鮮がシリアに持っていっていると伝えられたいる。
繋がっているかもしれないところもある。
それは、金正恩に対しても警告になったことだろう。
トランプ大統領は、いざとなれば躊躇なく
59発の巡航ミサイルトマホークを発射させる決断力があることを
ヒラリーがこの行動を絶賛しているらしい。自分ならもっとやったと。
なんとなく軍産複合体の戦争ビジネスの匂いがするきがするが、
思い過ごしなのか?
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