原理講論を読む

日常生活の中で 考える糸口を求めて

リーダーシップを学ぶ ①聖書          トム・ヒューストンの「ダビデ王」を二世に推薦

リーダーシップに関しては昔から色々言われてきたが、なかなかこれといったものには出くわさない。そこで、聖書の勉強、特に復帰摂理上の人物を学ぶことができ、かつリーダーシップを考察することができれば、大変有り難いことである。

そんな視点で選ぶとすれば、トム・ヒューストンの「ダビデ王」は大変すぐれた書物である。

 

ダビデ王―旧約聖書に学ぶリーダーシップの条件

ダビデ王―旧約聖書に学ぶリーダーシップの条件

 

 

イエス様が「ダビデの子」と呼ばれたように、祝福二世もそのようにありたいものである。

著者は語る。

 ダビデについては、いくつかの注釈書やF・M・メイヤー、アラン・レッドパス、ジョン・ハーカスなどの既刊書を参考にした。これらの著書から大いに恩恵を被ったが、わたしにはそれだけでは足りなかった。ダビデがいかにして「神の人」となったかについては、知りたいとは思っていなかった。わたしがもっと関心を抱いていたのは、イスラエルが部族の集まりから一つの国に統合するまでの過程において、ダビデがいかにして民を指導することを学んだかである

 

さて、どんな書物か目次を紹介する。

 

1章 門出 人は志次第である

2章 自覚 手中にあるものを駆使せよ

3章 妬み 部下には、自分より優れた人物を選べ

4章 友情 正直であり続ける友を見つけよ

5章 真実 嘘は短命だが、真実は永遠に生き続ける(箴言12・19)

6章 価値 事業の価値は、せいぜいその当事者が誇る程度だ

7章 祈り 指導者自身 神に導かれる必要がある

8章 原則 弁解はいくらしても、決して納得のいく理由にはならない

9章 短気 立腹する時失うのは、平静さだけではない

10章 保身 自分に誠実な人間は、他人に不誠実であるはずがない

11章 改心 失敗と立ち直りは指導者にとって最良の準備となる

12章 謙遜 権威とは、下にいる人々から与えられるものだ

13章 危機 指導者が強いのは、部下が団結している時である

14章 象徴 統一には、形と永遠性という共有できる象徴が必要

15章 管理 管理とは、人を動かして物事を効果的に完成する技術だ

16章 順位 神より自分を優先するのは、そこに心があるからだ

17章 品性 品性は、過ちにどう対処するかで決まる

18章 家庭 最大の敵が家庭内にいる時は、生活態度が問われる

19章 災難 真の自分を知っている者は、他人の言葉で傷つかない

20章 雅量 成功は失敗より大きな試練である

21章 遺産 世界を良くするために、僅かでも貢献せよ

エピローグ 成功するリーダーシップの4原則

 

章題を見ても面白そうな本だとわかることだろう。

良き人も良き本も意識されずみすごされ、捨て去られることが世の常である。

ダビデも亨進様も まさにそうであった。

末っ子であった彼らは本人も兄弟や家族もほとんど後継者として問題外の状況であった。

だが、神の目には違って映っていたのである。

信仰と実務をこなせるリーダーになろうとされる方は必見である。

アマゾンでは図書館や学校の廃棄本などが「可」という状態でマーケットプレイスに出ている。可で結構である。美しい本を飾るのではなく、本の美しい内容を身につけることに集中すべきである。

もう少し状態がよいものを求める方は

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成功するリーダーシップの4原則

 

 ダビデはその生涯の早い時期に、成功するリーダーシップの第1原則を発見していた。それは、自らの天職(使命感)を知ることであった。

 羊飼いをしていた十代の少年だった頃、ダビデは預言者サムエルによって王として油を注がれた。神は彼を選び、ダビデは天職を与えられたことを決して忘れなかった。サウルの軍隊にいた兄たちから軽蔑されたときも忘れず、サウルから王宮を追い出されたときも忘れず、無法者としての歳月が彼の夢を遠のかせるように思われたときでさえも忘れなかった。ダビデは首尾一貫して、いつの日か人を治める立場に立つ、という確信をもって行動した。サウルを殺さなければならない、とは決して思わなかった。

 ダビデは、神の時が来て、ユダとイスラエルの人々から王として承認されるまで、忍耐強く待った。

 

 成功するリーダーシップの第2原則は、自らの働きの場を限定することであった。ダビデは多才な人間だった。サウルがゴリアトを殺したダビデを司令官に任じた瞬間から、ダビデは戦士としての天才ぶりを発揮した。彼はイスラエルの市民生活と宗教的行事に関連する行政を効率的に管理した。また、行政分担の制度を確立し、公共事業の仕組みをつくった。礼拝のための詩編を70編つくり、それをハープで伴奏した。彼は人々を魅了し、従わせるようにさせる磁気と魅力とカリスマ的資質を備えていた。

 しかし彼は、自分の働きを限定することを学んだ。戦場から退いて自分の生命を守るようにと、部下から勧められると、彼は軍隊の指揮をヨアブとアビシャイに任せた。神がソロモンに委ね、自分は金銀、石、レバノン杉などを集めることで満足した。

 神は常に、どんな指導者に対しても、行うべきことを限定する。自分に任されているよりも大きな責任を取ろうとする指導者は、その潜在能力を極限まで発揮することができない

 

 第3の原則は、他人との折り合いを良くすることであった。ダビデの歴史に登場する人々の名前が多いことは、聖書の中でも例がない。わたしたちは、ダビデの軍隊の指導者、司令官、3有志、30人、1000人隊長、護衛兵の面々などの名前を知っている。また、側近の重要人物、宗教的な人物、個人的な顧問の名前も知っている。わたしたちはなぜ、これらの人々を知っているのか?彼らは皆、ダビデにとって重要な人々だった。彼はそれぞれの部下が何をなすべきかを知っており、良くやったときには賞賛した。ダビデが部下の献身的態度と忠誠心をかき立てることができたのは、彼と部下の折り合いが良かったからだった。

 

 成功するリーダーシップにとって題4番目に必要なことは、自らの品性を向上させることであった。自分自身を知り、理解する指導者だけが、他人を触発することができる。