原理講論を読む

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鮮鶴平和賞の選考基準に問題あり!

統一教会の公式サイトには、第一回鮮鶴平和賞の受賞に対する報告が掲載されている。2015年6月9日付け。

「鮮鶴平和賞」第1回受賞者を発表 | 世界基督教統一神霊協会(統一教会)公式ホームページ

 

鮮鶴平和賞委員会の洪一植委員長(韓国・高麗大学元総長)が、「キリバスのアノテ・トン大統領とインドのモダドゥグ・ヴィヤイ・グプタ博士の2人が第1回鮮鶴平和賞の共同受賞者となった」と発表しました。洪委員長は選考にあたり、「鮮鶴平和賞の『未来世代の平和』というビジョンに基づき、気候変動と食糧危機に注目した」と述べ、「トン大統領は、気候変動危機の最前線で人類の未来と平和のために努力をし、グプタ博士は、未来における食糧危機の代案として、革新的な魚の養殖技術を開発し、『青の革命』を起こした」と選考理由について説明しました。

 

そもそも世界平和は如何にしてなされるのであろうか?

一つは神の祝福による真の家庭運動である。この担い手が世界平和家庭連合である。

もう一つは神の復帰摂理歴史上の観点から、アベル国連の創設であると言えるであろう。

もし私の主張に同意してくれるなら、気候変動と食糧危機に注目した基準で果たして選考すべきであろうか?はなはだ疑問の残るところである。

ここに天意があるかが問題であると言うのである。

確かに気候変動も食糧危機も避けることのできない重要な問題であることは誰しも理解することができる。

しかしこれらのことは人類が平和を獲得するための外的な諸条件に過ぎず、戦争や争いの根元的な解決をもたらすことができる、内的な本質的原因に関するものとは言うことができないであろう。

お父様が提唱された、アベル国連の理念が目指すビジョンの実現に向けた制度や組織の開発やそれによる運動の展開で著しい貢献を果たした人物こそ、受賞に相応しいことであろう。

その人物は超宗教的立場で世界平和のために奔走する人物でなければならない。

中心摂理的に考えれば、長男のユダヤ教、次男のイスラム教、三男のキリスト教を代表する超宗教・超国家・超民族的指導者で世界平和のために活躍されている人物であることが期待されるところであった。

特に第一回は文鮮明恵父の創設理念を余すところなく伝える趣旨においても、アベル国連の意図を充分に考慮されて選考されるべきことであったと思われる。

受賞者には申し訳ないが、誠に残念と言わざるを得ない。

これではノーベル賞の二番煎じに過ぎない。

その存在価値に疑問が生じるのである。

お父様の創設である以上、そこには天意が表されなければならないのである。

 

また洪委員長は、鮮鶴平和賞の意義について、「これから人類共同体は、道徳的正当性と論理的合理性に基づいて、果敢に動いて実践しなければなりません。鮮鶴平和賞が提示する革新的ビジョンと行動の変化は、より次元の高い21世紀の平和文明を切り開いていくこととなるでしょう」と述べました。

 

これがまたまずい。「人類共同体は、道徳的正当性と論理的合理性に基づいて」とあるが、正しくは、

「神の下の一つの人類共同体は、あらゆる宗教道徳の根底を貫く普遍的絶対価値の正当性と統一的論理性に基づいて」

のようにならなければならない。

神不在の啓蒙主義的な判断基準を参考にしてはならないのである。

現在、仏陀は不退転の決意で神を誰よりも証そうと命がけで歩んでおられる。ゆえに、神という表現が含まれることに問題はなく、むしろ積極的に導入しなければならない。

 

では以前はどのように同じ統一教会のサイトで紹介されていたか。

2014年8月12日付け

「鮮鶴平和賞委員会出帆式」を開催 | 世界基督教統一神霊協会(統一教会)公式ホームページ

 

また、ワシントン・タイムズ社長のレリ・ビスリ委員が「鮮鶴平和賞」制定の趣旨を発表。続いて、シャナナ・グスマン東ティモール首相が祝辞で、「神様の下の人類一家族」「ために生きる」といった文鮮明師の提唱した思想を賞賛しつつ、「国家や人種、宗教を超越した平和のための賞設立を心より歓迎する」と述べたほか、ソウル平和賞文化財団のイ・チョルスン理事長より文師の遺言を韓鶴子総裁が実現されたことへの感謝の意を表する祝辞が寄せられました。

東チモール首相の方が、鮮鶴平和賞のため10万ドル寄付しただけあって、よっぽどお父様の心情を理解しておられる。

念のためファミリー フォーラムにおいて、かって報告された寄付行為に関する記事を以下より引用する。2015年1月15日付

東ティモール、文鮮明•韓鶴子総裁「鮮鶴平和賞」に10万ドル寄贈…一大事件 | 統一教会員の合同ニュースブログ familyforum.jp | ファミリーフォーラム

 

東ティモールシャナナ・グスマン首相(69)が2014年8月、韓国プレスセンターで開かれた鮮鶴平和賞委員会の発足式に出席し、委員会サイドに約束したことを実践した。

東ティモール政府は昨年12月19日の大統領宮閣僚会議で鮮鶴平和賞創設基金(10万ドル)の寄付案件を上程、全会一致で承認したのだ。

閣僚会議は次のように決議した。

東ティモールは宗教、人種、国家と文化を超越した平和思想と平和社会・国家建設のビジョンを含む、鮮鶴平和賞の創設を非常に喜んでおり、その志を共にしようと思う。 本会議は鮮鶴平和賞創設に10万ドルを寄付することを決定する。」

グスマン首相は鮮鶴平和賞委員会の発足式で

「鮮鶴平和賞は、利他的な人生で、宗教、人種、国家、文化を超えて、平和な国家と世界を構築することができる本質的なメッセージを含んでおり、希望の灯として平和文化を導いていく」とし、「東ティモール政府として創設資金を支援する」

と明らかにした。

 

聖和記念日の直前に授けられる賞である。

お父様の御心に適ったものであってほしいものである。

今日の統一教会の問題は、お父様やお母様を支える基台の欠如であると言えるのではないだろうか?