前回の文章を記述した後に、新ためて授受法の正分合作用や四位基台の対応図を見ていると、私の頭の中が整理されておらず、正分合的な思考と四位基台的な思考がうまく対応されずにブログで語ってきてしまったことに気付いた。
どういうことかというと、正分合から導き出せる思考とは本来は、
正:時空を超えた神の世界の思考
まるごと一つ、全体と部分が一体一如
↓ したがってこれが統一思考となる
分:時空間における構造的思考
一見あれとこれを区別でき比較分析できる様相だが相補補完的
↓ したがってこれが相対思考となる
合:時空間にありながら時空を超えた神の世界の思考を求める
あれとこれが独立し区別されうるという境界を持たない
正の時と同じ統一思考だがそれが一旦分化された後に再統一されたことで
強化されたと見ることができる。
そこで、
正に対しては絶対思考とし
分に対しては相対思考とし
合に対しては統一思考として
ブログで展開してきたのであるが、正と合にあたる思考が以上のことから重複するため、正分合に対応する四位基台に着目して、
正:絶対思考→四位基台:中心思考に置き換えて語ってきている。
本来であれば正分合作用から
絶対思考→相対思考→統一思考
というように話を進めて区切り、
次に四位基台から
中心を見る(中心思考)→挌位を見る(挌位思考)→関係を見る(関係思考)というように話を進めるべきであった。
思いつくままに書いてきたので混乱を招いたと反省している次第である。
とぼけた話で恐縮だが今回予定していた挌位を見ると次回予定の関係を見るという話はほとんど今まで語ってきていない内容であった。
過去の記述の要点のまとめが目的であったので、先ず相対思考を振り返り、次に挌位を見るという話に進みたいと思う。
相対思考というのは、繰り返しになるが、上を見たら下を見よ、右を見たら左を見よ、前を見たら後ろを見よ、外を見たら内を見よ、というように一方を見たら他方を見るようにして、物事の半面のみに偏った判断をしないための工夫のことである。
両面思考と言っても良いし、何かアイデアが浮かんできたら、自分の頭の中で、肯定派と否定派を設けて意見の交換を繰り返していく、一人ディベートのようなものだと言える。
相対思考とか両面思考とかいうものの中身は何かと言えば、日本語にはとてもいい言葉が普段より使われている、「吟味」ということである。
存在するものは全て二性性相をもって存在しているが、存在物が存在するための存在形式自体も二性性相に習って、上下・左右・前後・表裏・内外というように対になっているのである。
このことは言葉に関しても同様に、相対する概念の言葉が一対になって存在するものがある。
そこで、様々な相対概念を二つで一つに考え上げて行く工夫をしようではないか。というのが趣旨である。
世に「二項対立」という言葉があるが、弁証法的な影響を私は感じるのでお薦めできない。
弁証法では、我々がいう「正分合」に対して、「正反合」を主張している。以下にもう一度先日の図を記して違いを考えたい。
正分合作用 四位基台
正 中心・・・・・・・・・・神ー心情
ー創造目的
↓ ー構想理想
→
分 主体 授受作用 対象 (挌位)
←
↓
合 統一体(統一原理や統一思想では合成体)
正分合作用でいう「正」は、左の四位基台の図でいうと「中心」であり、神を表している。
しかし、弁証法の正反合は、四位基台の図では「主体」と「対象」にあたり、しかも「主体」と「主体」の関係になる。
言い換えると、神の座の中心が不在となり、左の主体に「正」が来て、右の主体に「反」がくるようになる。
しかも、この二つの「主体」が対立し、闘争して、発展した結果「合」が生まれるとするものである。
それに対して、統一原理は二性性相の相対的関係をもって存在し作用し繁殖するという、「主体」と「対象」の関係は相補的であり補完的であり、調和的であって、その結果発展した「合」となると言うわけである。
したがって「二項相補」というような意味の言葉を探した方がよいと思われる。
さて、創造原理の文章の中から、相補い補完すると思われ思索に使えそうな一組の言葉をできるだけ選んで、相対思考のままではいかにも抽象的で使いにくいので、幾分具体的に使えるように試みたのである。
それが今まで書いてきた以下のような内容である。
相対思考
1,性相と形状を意識して考える生活習慣
①内的と外的
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2013/10/26/024332
②内容と形式
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2013/11/08/033801
③見えると見えない
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2013/11/22/234654
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2013/11/27/053308
2,陽性と陰性を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2013/12/04/044635
3,原力と作用を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2013/12/07/081536
4,主体と対象を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2013/12/09/172518
5,原因と条件を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2013/12/11/143924
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2013/12/15/055927
6,普遍性と個別性を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2013/12/18/101208
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2013/12/21/073237
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2013/12/23/043047
7,時間展開と空間展開を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2013/12/29/031011
8,原因と結果を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2014/01/09/045340
9,本質と現象を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2014/01/23/093810
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2014/01/27/040536
10、位置と価値を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2014/01/28/045541
11、自立と依存を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2014/02/05/055043
12、超越と内在を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2014/02/11/073825
13、不変と変化を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2014/02/20/062404
14、絶対と相対を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2014/02/24/224248
15、共通と異質を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2014/02/25/043115
16、全体と個を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2014/03/07/152332
17、立場と望利を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2014/03/13/034631
18、作用と繁殖を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2014/03/16/035241
19、客観的事実と主観的判断を意識して考える生活習慣
http://divineprinciple.hatenablog.com/entry/2014/03/23/062435
これらに重複するが以下に体験上役に立った視点を挙げることにする。
①全体から部分へ(性相と形状)
②見えるから見えないへ(形状と性相)
③見えると見えない(形状と性相)
④目立つと目立たない(個別性と普遍性)
⑤変えられると変えられない(変化と不変)
⑥似て非なるものと似ずに同じもの(異質と共通)
最後に、
挌位を見る(挌位に問題がありやなしや?)について
二つの物が主体と対象というように挌位があり、役割がきちんとしているかどうかを確認や注意しなければならないということである。
磁石がプラスとプラスやマイナスとマイナスが反発し合うように、
本来は主体と対象の立場であるものが、実際には主体でありながら対象のように陥っていたり、対象であるのに主体のようになって反発したりしてはいないかと言うことである。
それぞれのものが、それぞれおるべき位置や役割を果たしているかどうか念のため調べてみることが重要であるということである。
秩序の問題ともいうことができるかも知れない。
主体には主体としての要件があり、対象には対象としての要件があるものと考えられる。
組織におけるリーダーシップやフォロワーシップもこれに当たると言えよう。
四位基台から主体を考えてみると、一番上の中心は神であり、正確には神の心情であった。
ところでこの心情(神情)というものは実際はどこに存在するかといえば、主体とは別の離れたところにあるのではない。
主体の中にあるのである。
そこで喜びを求める心情の衝動力は、主体の目的や構想理想にも及び、一言で言えばそれらの志を達成しようとする決心覚悟となって主体に現れるようになる。
そこで例えば会社のトップにおいても、主体として立つためには、消費者に具体的喜びを与える商品やサービスを作り出すための、価値やビジョンやそれを達成するための戦略戦術の実行に対して、決心覚悟を持ち、何が何でも達成するのであるという、主体としての要件が必要になるのである。
現在テレビで放映中の「ルーズベルト・ゲーム」における唐沢演じる社長もそのような立場であろう。
相対思考の原因と条件で述べてきたように、主体性のありなしとは原因性の自覚の程度であるともいうことができるかも知れない。
自分を取り巻く人や情勢などの全ての環境は条件に過ぎず、むしろ私が原因であり、既にある条件を活用して環境に対応し、環境に働きかけ、自分の意図の方に環境を変化させていき、その結果新しい状況(新しい条件や新しい環境)を築いていくことが、主体性であり、経営者に求められるべきものである。
主体性(リーダーシップ)に対して、対象性(フォロワーシップ)とは、主体の意図が実現するための諸条件や環境の整備に力点が置かれるものといっても間違いではないと思われる。
「挌位」とは次回に語る三番目の「関係」とも言えるのではという方もおられると思う。その通りである。挌位は関係の外的な形式を意味しており、次回の関係とは関係の内容を意味している。別の表現が適切かも知れないが、そう言うことで話を進めていきたいと考える。